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私のおすすめ度 8
集英社 コバルト文庫 2012年04月
あらすじ
景虎達は子供たちが神隠しに合い、数日後神通力を持ち戻ってくるという事例が発生していると聞き、調査を開始する。
その中の子供の一人、未来が見えるようになった小平太から神隠しにあった子供たちは“あちら”の世界へ行き、その世界の自分と体の一部を尼によって取り換えてもらい戻ってきたと聞く。
長秀は勝長が行動を共にする尼僧、寿心尼が怪しいと忠告するが、勝長はその懸念を一蹴する。
更に直江は小平太から景虎の命があと少しだと告げられた。
感想
ちょっと現代編の文章に戻ったような印象を受けました。
怨霊調伏の使命の区切りについて、の話は、400年後を知っているので、最初の換生の時にこの話題が出てくるとは思いませんでした。
怨霊調伏の使命の区切りについて先延ばしにしたのは景虎、明確な答えもせずに。
このあたり高耶の景虎は違うなとしみじみ思いました。
最後の一人になるまで換生すると言い切ったあの直江が、この時ではもう換生したくないというのですし、こちらもやはり橘義明とは違いますね。
小平太があちらの世界へ行ったことにより得た力で直江が自分の家来になるのを見たため、直江を家来として扱っていますが、その時の景虎の反応は現代と一緒ですね。
こういう本編を思い出させる要素が詰まっていてこの巻は読んでいて楽しかったです。