桑原水菜 真皓き残響 氷雪問答 炎の蜃気楼邂逅編

私のおすすめ度 8

集英社 コバルト文庫 2008年07月

あらすじ

「氷雪問答」
雪の中直江が宿に戻ると、景虎と晴家は白拍子を名乗った真っ白な大蛇と騒いでいた。
あきれる直江だが、この大蛇は千年を生き竜神となる途中に失敗し、もう一度竜神になろうとして景虎達に助けを求めてきていたのだ。実は弥彦の神様に天帝に取り成してもらおうとしていたのだが、その弥彦の神様に取り次ぎをする天狗に、問答に正しく答える事が出来れば弥彦様に取り次ぐと言われていた。
助けに応じた景虎は天狗と互角の問答をするが、大天狗のつららが現れ一人ずつに謎かけを用意し、すべてに勝利したら弥彦神に取り次ぐと持ちかけられる。

「傾奇恋情」
先に一人、新発田の城下に来ていた長秀は、ド派手な格好をした傾奇者の矢次郎にまとわりつかれる。矢次郎には古霊が張り付いており、放っておくわけにもいかず長秀は矢次郎に振り回される。

景虎達は、城下で城の周りを妙見札を掲げて練り歩く怨霊の捜査のため、古四王神社へとやってくる。
そこで怨霊達に妙見札を配る巫女を発見するが、見失ってしまう。
強引な手法を取る長秀と反発しあう景虎だが、巫女の行方を探るため二人で城へと向かう。

感想

炎の蜃気楼邂逅編の9冊目です。
今回は少し骨休み的な感じがしました。
直江の挿絵がどれ一つまともなものがありません、どれも少しコメディ顔です。
氷雪問答では直江のつっこみが面白い。三枚目な役所でした。天狗との知恵比べでは生真面目なのでまともな考え方しか出来ず、苦悩しながら淡々と答えを出す景虎に内心でこそこそとつっこみ。 最初の方も白拍子を呼んで騒いでいると思い込んでつっこみ。
読んでいて楽しかったです。
そしてあまり本編で書かれなかった、景虎が息子とどんな遊びをしていたかもわかります。

傾奇恋情はこれも景虎、長秀、勝長の3人でのつっこみが面白い。特に最後の3人のつっこみは最高でした。
本編ではあまり目立たなかった長秀の役回りが何とも言えず、結構苦労してるなと苦笑いです。

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