賀東招二 戦うボーイ・ミーツ・ガール フルメタル・パニック!

私のおすすめ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 1998年09月

あらすじ

世界最強の武装集団「ミスリル」所属の相良宗介軍曹は、千鳥かなめの護衛のため陣代高校へとやってきた。
戦場での生活しか知らない宗介は初めて平和な高校生活を体験する。

何事も起こらず任務も終了かと思われたが、修学旅行で沖縄に向かう途中、かなめを狙うテロリストに飛行機をジャックされてしまう。
一人連れ去られたかなめを救うため、宗介は救援を待たず助けに向かった。

傭兵仲間のクルツと共に敵機に追い詰められた時、意志を増幅させる機械「ラムダ・ドライバ」を搭載した「アーバレスト」が送られてきた。
上手く使いこなせない宗介、そしてかなめの中で「ウィスパード」の知識が目覚める。

感想

フルメタル・パニック!の1巻目です。
読んだのは10年ぶりです。実は当時は高校の図書館で借りていたのですが、本編より短編集の方が好きで、本編をあまり覚えていませんでした。1巻目はさすがに多少は覚えていましたが。

短編は学園物のコメディっぽいのですが、本編はそれなりにシリアスで、ロボット物(?)です。当時もう少し濃いSFにはまっていたので、どうにもフルメタは薄い印象を受けていました。なので本編は流し読みでした。

しかし、アニメで見るとそういえば本編も面白かったなと思い出し、もう一回読んでみようと思い立ちました。

やはり少しロボット物・SF物には足りない感がありますが、宗介とかなめの関係がそれを補っていると私は思います。
純粋な恋愛物はあんまり好きではないのですが、こういうメインが恋愛物ではない恋愛は好きなのです。
特にぶっきらぼうな主人公は私のツボです。これから少しずつ根っからの傭兵だった性格が抜けていく宗介がいい感じです。

ですので、本当のロボット物・SF物を求める方には若干物足りない作品ではないかと思いますが、富士見ファンタジアというどちらかと言うと若い世代向けの文庫である事、それを考えるなら、内容の引き込まれ具合といい及第点だと思います。
内容の引き込まれ具合はあくまで女の私の目線からなので、男性にはどうでしょうか?SF面を重点に見るか、それ以外で見るかで評価が分かれそうな気はします。

1巻目ではミスリルやアーバレストも登場しただけ、と言う感じが抜けません。
しかしこの先結構重い展開などもあります。1巻目でSFを読みたいのに、少し軽くない?と思った方はもう少し読んでみてください。

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