あざの耕平 BLACK BLOOD BROTHERS 1 兄弟上陸

私のおすすめ度 9
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2004年07月

あらすじ

10年前の香港にて吸血鬼の存在が明るみに出た。
本来は吸血鬼の血を吸う事によって吸血鬼になるが、「九龍の血統」は血を吸っただけで、人間だけでなく吸血鬼さえも自分の血統の吸血鬼へと転化させる。爆発的に起きた「九龍の血統」の増殖に人間だけでなく他の血統の吸血鬼も共に参戦し、特に「同族殺し」と言われた「銀刀」を持つ吸血鬼は、片端から「九龍の血統」を切り捨て、聖戦の英雄の一角として知られることとなった。

横浜沖に浮かぶ人工島「経済特別解放区」、通称「特区」では、「九龍の血統」以外の表向き殲滅されたとされる吸血鬼と人間が共存していた。もっとも一般の住民は吸血鬼の存在を知る事はなく、吸血鬼が人間に紛れて暮らす事で派生するトラブルや、吸血鬼の血族間で発生する問題はオーダー・コフィン・カンパニーの調停員が調停を請け負っていた。
そのカンパニーで働く葛城ミミコは、上司の命により湘南の海岸へと調査に来ていた。
そこで海の中から白煙を立ち上げる骸骨と、骸骨に抱えられた美少年を発見する。吸血鬼とすぐに気づいたミミコは調停員として彼らを保護する。
骸骨より復元した青年は望月ジロー、気を失っていた弟の少年はコタロウと名乗るが、実際の兄弟ではなく、たった二人のだけの血統の吸血鬼だという。

彼らを特区へと案内しようとするミミコだが、そこに張られた結界に阻まれてしまうジローを、「九龍の血統」かと疑うミミコだが、そこへジローとコタロウが特区へ向かう船で出会った「断絶血統」の黄がジローを仲間にと誘いに来る。
「九龍の血統」の疑いが拭いきれないミミコはジローを引き止める事が出来ない。更にそこへカンパニーの鎮圧チームが戦闘を仕掛けてきた。コタロウ達を逃がす代わりに捕まったジローだったが、そこで黄の仲間に「九龍の血統」が混じっている事を知る。
昔の仲間、赤井リンスケにより再び「銀刀」を手にしたジローは、會により「九龍の血統」へと感染した黄の仲間たちの元へと向かう。

しかし、海に落ちた上、日に当たってしまい、力を失っていたジローはコタロウを救い損なってしまう。そんなジローに、禁止されているにも関わらずミミコは自らの血を吸わせた。

コタロウを取り戻し、ジローはミミコに彼の血族「血を超越した血統」の事を話す。
彼らの血統は古く、ジローを転化させた始祖である女性は、血を吸った相手の能力、記憶、人格を取り込み、そして死して灰になってもその灰の中から生まれ変わるという。
しかし以前の人格は失われ、ジローは生まれ変わった無力な子供の護衛として、そして、死んで生き返る間、血を預かり保存し、子供が十分に育つとその血を戻し、自らも一緒に彼女の中に入り生き続ける、その為にコタロウの側にいるのだと。それが「血を超越した血統」と評されるゆえんであると。

いずれ始祖の生まれ変わりであるコタロウに食べられるというジローとミミコの共同生活が始まる。

感想

あざの耕平さんの本で、初めて読んだのはDクラッカーズでした。それが面白かったので、この小説を買ったのですが、買ってよかった。面白い。
Dクラは、基本アクション物ですが、そこに絡む恋愛要素が良かった。主人公達の会話、それがものすごく上手い。
このBBB1巻ではまだまだアクションオンリーな感じですが、所々入っているジローの回想がものすごく良いというか上手い。思わず入り込んでしまいます。
アニメ化もされ、その冒頭部分に回想が挿入されていましたが、それも良いです。EDも好きでした。
ジローは、吸血鬼で100年以上生きているという事もあり、更に赤のコートと赤の帽子と奇抜な格好をしているので、もう少し斜に構えた性格かと思ったのですが、言葉の端々にそんな要素はありつつも性格はいたって普通です。むしろ元軍人だけあって少々硬めなくらいです。昔の人だけあって機械系が苦手だったりもします。
この妙なバランスの性格がたまらなく良い。
最初に読んだ時は1巻目はさらっと読んでしまったのですが、じっくり読むと最後のセリフに思わず泣きそうになりました。
どんな気持ちでジローさんはこのセリフを言ったのか、全て読み終わってからこの台詞を読むと本当にせつないです。

富士見ファンタジアをよく読む人はには是非おすすめします。
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