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私のおすすめ度 8
アスキー・メディアワークス 電撃文庫 2010年03月
あらすじ
ギルはオーバリーにより暗殺されたと偽装し、オルバはただのオルバに戻り姿を消した。
オルバは剣闘士時代の仲間のシークとギリアムと共に、タウーリアの傭兵となっていた。
タウーリアを含むタウラン全域は魔道士ガルダの脅威に晒されており、オルバ達は援軍としてヘリオへと進軍する。
しかしガルダ軍と対峙する最中、ヘリオの傭兵団の首領グレイガンがヘリオの王位を簒奪する。
負傷したタウーリアの将軍ボーワンと共にからくも戦場を脱出したオルバ達は傭兵仲間のクルンにより、ヘリオの将軍ラスビウスに引き合わされる。
そこには本来のヘリオの王ハードロスの孫、ロージィがかくまわれていた。
感想
影武者とはいえ一国の王子の身分だったオルバでしたが、今回からはただの一兵卒になります。
前回復讐を果たした事でどうするのかと思ったら、ギルとしての全てを捨てました。
王子の地位は本来彼の物ではありませんが、戦果を上げる度、そして各国の要人たちとの関わりの中より本物らしくなっていたのですが。
今までは王子として軍の采配をしてましたが、今回は自ら前線に出てその場その場での対応が求められます。
その違いのもどかしさがオルバの中で苛立ちとなります。
もう少し早く気づいていれば、もう少し自分に兵があれば。
しかしまた望む望まないにかかわらず権力の中枢へと巻き込まれていきます。
もちろん顔は隠したままです。タウーリアでは目立ちますし、以前のオルバとは別の仮面をつけています。
そしてヘリオの売国后と蔑まれたマリレーヌ。
オルバは彼女にある女性を見ます。
一心不乱に助けに向かったオルバに、確実に彼女が影響を与えているのでしょう。