中央公論新社 C・novels fantasia 2013年11月
あらすじ
「紅蓮の夢」
リィの家族が乗った豪華客船が故障した。
慌てて逃げる乗客達だったが、駆けつけたリィ達により全員無事脱出する。
はずだったのだが、突如船から人体反応が感じられた。
ダイアナが慌ててその人物をスクリーンに映してみると、その個性的な服装にケリー達は首をかしげる。
現れた人物はデルフィニア国王のウォルだった。
リィ達が戻ってきてから一年、ウォルの世界では十年経っていた。
何故この世界へ飛ばされた分からないが、ウォルはリィの家族とも顔を合わせることができ、ルウの力により何事もなく元の世界へと戻っていった。
しかしウォルがこの世界へ来た原因は、ルウが繋げたウォルの世界の映像で判明する。
デルフィニアはパラスとト軍に侵攻され、圧倒的な勢力の前に危機に陥っていた。
かつての勝利の女神、妃将軍のリィをデルフィニアの人々は切望していた。
リィは幾度も共に戦った仲間とウォルのため、再びデルフィニアの世界へと向かった。
感想
もう待ってました!
という話です。
よくあるパターンの話ですが、これが読みたかった!と声を大にして言いたいです。
リィの世界へ来るウォルもそうですが、再びウォルの世界へ行くリィの話も読みたかった。
なによりウォル達のその後がしっかりと読めます。
ひとたびデルフィニアの話に突入すると読むのがやめられません。
デルフィニア戦記を読んだ時、一日中読みふけるほどのめりこんだのを思い出しました。
懐かしいウォルやイヴン、バルロの掛け合い、ポーラやロザモンド、ラティーナとの再会。
懐かしくて懐かしくて、そしてこのデルフィニアの世界観がやっぱり大好きだなと再確認しました。
リィの世界ではウォルが普通の服を着るのですが、よく挿絵を入れてくれました!
とにかくいろんなことがギュッと詰め込まれています。
書き下ろし自体がかなり長いので、この長さも嬉しい限り。読んで損なしです。
他に書きおろしはありますが、私の一番はやっぱりデルフィニアです。茅田砂胡 小説一覧へ