講談社 談社X文庫ティーンズハート 1991年01月
あらすじ
教育機関アカデミアの首席生徒の雨宮涼は、ネオ・ナリタの市長と面会するため乗り込んだヘリが墜落し、悪名高いネオ・ナリタの旧都市で暮らす少女真夜子に助けられた。
アカデミアでは一目置かれる存在だった涼は、全く自分を知らない真夜子との新鮮な生活から離れがたくなり、旧市街で生活を始める。
だがある時、涼はネオ・ナリタでは知らないものはいない“アルディーン”にとり憑かれてしまう。
本来なら正気を失い殺戮者となるのだが、正気を保つことができた涼はアルディーンの呪力を使いネオ・ナリタに巣食う七賢人教団を相手に戦いを始める。
感想
う~ん、簡単にあらすじをまとめてしまったのでナイトハンドの入る隙間がありませんでした。
七賢人に恨みを持つナイトハンドと共に涼は共闘するのですが、話はシリアスだし文章もシリアスなのになぜか二人の会話はコミカルに感じてすごく面白いんです。
初めて読んだとき、出だしを読んでいると近未来の学園ものかと思ったのですが、学園生活なんてほんの少ししかありません。
ティーンズハートという文庫なのでてっきり最後まで学園ものだろうと思って読み始めたので、こんな展開になるなんて予想もしていませんでした。
それをさらに裏切るのは香港編なのですが。
とにかくキャラクターが魅力的です。
涼、真夜子は純粋に好きだと思えるカップルですし、アルディーンとナイトハンドのちょっと変わった友情も好きです。
このナイトハンド、登場時は残酷な感じなのですが、なんだかんだでアルディーンに対してだけは世話焼きになってしまい、普通の人間なのでその視点からのアルディーンへの突っ込みがなんとも言えません。
持っていたティーンズハートはほとんど手放してしまったのですが、これだけは絶対に手放せない小説です。