講談社 談社X文庫ティーンズハート 1995年05月
あらすじ
崩壊し始めた体を乗り換えるため、麗王はミハイル・几城の体を狙い元宵節の夜会を襲うが、少年がレーテアの感応者になっていたことに気付かず、その体を乗っ取ることはできなかった。
混乱する夜会の中、イグナチウスの破壊の力しか受け継げなかったエリュシオンのリューは、イグナチウスがアーサーと呼ぶナイトハンドと出会う。
イグナチウスとナイトハンドを会わせたくないリューはナイトハンドが敵だと周りに嘘をつき、ナイトハンドは処刑されかける。
イグナチウスは処刑されようとしていたナイトハンドの元へ向かい、すでに脱出していたナイトハンドことアーサーとやっと再会した。
一方新界に留まっていたレーテア騎士団の兄王レアルがセリオスの策により命を落としてしまい、更にセリオスに操られた亜香により、レーテア騎士団は混乱をきたしはじめた。
感想
涼が目立たない。
ナイトハンドの方が主役に違いないのではないかと思う巻です。
でも少しアルディーンの謎に迫ってますね。
一度一段落しかけたに見えた展開が怒涛のごとくひっくり返されます。
長い香港編でしたが、色々な区切りが次々とやってきます。
読み終わってよく考えると、レーテア騎士団ってものすごく割を食っている感じがします。
香港側に振り回された挙句に、多大な犠牲も出してしまいますし。
そして待ちに待ったイグナチウスとナイトハンドの再会。
この時を待っていました。
むしろこの二人が気になって、涼側の印象が薄いんです。真夜子にしてもですが。
二度目にイグナチウスとナイトハンドがめぐり合う時のイグナチウスの変わり様など、どうして?と思うところもちょっとあります。
しかも最後のシーンもイグナチウス。ナイトハンドとイグナチウスが主人公とヒロインのようです。
これで完結なんてなんだか悔しいです。まだまだ読み足りないと思う小説でした。