花田一三六 野を馳せる風のごとく 戦塵外史

おススメ度 7

ソフトバンククリエイティブ GA文庫 2006年10月

あらすじ

アバール大帝国は「魔王」とも評されるカルディア帝国の皇帝セヴェロスの侵攻により、王は自害し、国は滅んだ。
しかし、その息子であるダリウスは、風評でしか知らぬセヴェロスに会いに、二人の部下と共にカルディア軍を駆け抜ける。
その腕を見たセヴェロスは部下にと誘うが、すげなくダリウスは断る。ただし、戦のときに列に並ぶという事だけは承諾する。

ある時、ダリウスの内縁の妻アスティアが、亡国ガルアの皇女フィアナを連れてくる。
国を奪い返したいのではなく、一矢報いるため兵を挙げてほしいと頼むフィアナ。
ダリウスは二人の部下とアスティア、そしてフィアナと共に国を奪いに行く。

感想

文章は硬いようであっさりしています。
歴史の編纂書に小説味を足したような感じだからか、他人称だからか。
何と言いいますか、大河ドラマの語り口調をそのまま文章にしたというか、自分がその歴史を調べてまとめました。という感じです。その書き方は独特ですので、かなり好みが分かれると思います。
きっと一国の重大事にかかわっているのでしょうけど、歴史の教科書を読むようにすっと流してる、ような気がします。
それが悪いのではなく、逆に面白い。 はまる方ははまります。この文章には中毒性があります。

ストーリー的にはどこかで読んだかもしれない気がする。という展開ですが、何でしょう。人物の動かし方でしょうか、それとも設定でしょうか。全てが上手いのでしょうか。ちょい役で出てくる人まで、とにかく上手いのです。
読み始めると、一気に読める話です。このシリーズはどちらかと言うと男性向けですが、私でも十分楽しめます。

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