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私のおすすめ度 7
角川書店 角川文庫 2003年12月
あらすじ
父の転勤で母の故郷へとやってきた原田巧。
ピッチャーとして天才的な才能を持つ匠は、捕球するのが難しい彼の球を5球目で取ることができたキャッチャーの永倉豪と出会う。
以前に巧の投球を見ていた豪。その球を受けたことで、野球の道をあきらめかけていた豪は再び匠とバッテリーを組み、野球を続けたいと熱望し始める。
感想
初めて読んだのは、まだ二巻目が出た頃。
それからあっという間に映画化やドラマ化がありました。
漫画化もされてます。
と、とても有名な小説なのに、おすすめ度がそれほど高くないのは、私が主人公の巧が好きではないからです。
どうにも性格が好きになれません。
もちろんあのきついながらも読み手を惹き付ける性格を好きな人はたくさんいると思いますが。
けっして小説自体が嫌いなわけではありません。嫌いな性格なのに続きが気になるという、何ともにくい所を突いてくる小説ではあります。
巧が体が弱い弟青波をうっとおしく思う気持ち、心配する気持ちは、私も姉なので分かる分かると納得してしまいます。
小説の文章自体は鮮烈な印象を受けました。美しい文章の中、きつい主人公がきらりと光ります。
この痛さが特に若い女性に中毒的になるのではないかと思います。
ただ、読んでいると中に入り込むより全体的に一歩引いた視点で見ているような感じを受けてしまいます。今の小学生、中学生ってこんなの?と、すでに学生ではない私では多少なりとも思ってしまいます。
中学生という若い年齢と必要なのかどうか分からない少し同性愛的な要素。それがその原因なのかなと思います。
男性にはそこを青春時代の若い感情と割り切らないと、その時点で投げ出してしまうのではないかと思います。
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