赤城毅 隻眼の狼王 時の剣

私のおすすめ度 7

光文社 カッパ・ノベルス 2004年11月

あらすじ

天下に知られる英傑宮本武蔵。彼は死の間際、親交のあった柳生兵庫助が頭を悩ませている十兵衛の事を、一介の剣士無斬祭之助に託す。

柳生十兵衛の元には怪老人の手で転魔が集いつつあり、その十兵衛は騒乱を起こすため父を手にかける。以前より父が護衛にと付けていた柳生忍達は、尾張柳生の兵庫助に助けを求めに向かうが、彼らには怪老人骨噛無限祭が放った転魔達が襲い掛かかった。

次々と殺されていく忍びたちの中、一人残ったくノ一の織月も転魔に襲われていたが、そこに祭之助が助けに入る。

祭之助と八百年来の宿敵という怪老人骨噛無限祭、そして転魔を倒されたと聞き、柳生十兵衛自らも祭之助を追い、尾張柳生邸へと赴く。
(※「噛」という字は本編と違います。)

感想

話はすごいまともなのに、時々笑ってしまうのは無斬祭之助という名前のせいでしょうか。よくあるパターンで相手に名前を聞かれて答えたら、「漢字は?」と聞かれます。・・・・・・普通漢字まで聞くか?と妙なところで突っ込んでしまいました。

題名だけを見ると、柳生十兵衛が主人公かと思いましたが、十兵衛は敵。結構血も涙もない系ですが、それでも剣客のイメージを崩さないのは私の贔屓でしょうか。中学生の頃十兵衛様にはまっていましたので。

さて、主人公祭之助と行動を共にする美貌のくノ一織月や、長年の宿敵骨噛無限祭などこれもまたパターンですね。
純粋な時代劇物ではなく、転魔のような魔物が出てくるのでちょっとファンタジーが入っている感じです。
でも、忍と転魔の戦いなどは読み応えがあり、赤城さんの独特の言い回し方は時代劇物にあってるなと感じました。

赤城さんの作品の中では、ちょっと笑える場面があっても、ノルマルクの様な真面目路線です。
多少古い感じの作品でしたが、昔の忍者物のマンガのような感じで、なかなか面白かったです。

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