高瀬彼方 カラミティナイト オルタナティブ 2

おススメ度 8

ソフトバンククリエイティブ GA文庫 2009年03月

あらすじ

智美が消えた。
彼女を探しに優子は家を飛び出すが、その足は「自分を呼び求める何か」に引かれていた。
そして優子はホリィの姿の黒騎士の姿を目撃する。
黒騎士は優子に向かい「シャリエラ」と呼んだ。

智美はホリィの心臓「災禍の心臓」により、彼女の騎士となっていた。
その力は智美の小説「黒騎士物語」を元に、そしてその小説の登場人物の人形と同じ力を持つ。

まだ経緯を知らない優子、彼女の周りでその力を使った事件が起きる。
怪我を負い、入院している智美は誰も巻き込まず、一人戦う決意をする。

感想

智美の智美としての時間が終わり、ホリィの騎士としての時間が始まりました。
ハルキ文庫で読んでいたので大まかなあらすじは分かっていたのですが、読みだすと止まらず、一気に読んでしまいました。
さすがに二巻目ともなると旧版とは違うホリィにも慣れ、美しい少女の男言葉に心惹かれてしまいました。
要するにかっこいいんです。
と言うと、戦闘ものを前面に出したアクション物かと思われますがそれだけではありません。
優子の周りで起きるクラブ内でのもめごと。
女の友情の複雑さがこれまた面白い。高瀬さんの作品では毎度毎度言ってますが、この内面の感情が面白いんです。
優子のきつい言葉、そしてそれをすぐに後悔する優子。気持ち、分かるなと頷きながら読んでしまいます。

変化してしまった友達を殺してほしくない、でも自分は救いの手に答えられなかった。

そして黒騎士となった智美のある意味容赦ない言葉、本当にかっこよくて面白いです。

そして智美が書いた「黒騎士」、技とか設定も多少素人さが入っていて、高瀬さんはプロなのに、よく素人っぽく書けるなと感心しました。これがその物語ならきっと趣味の域を出なかったと思うのですが、それがあくまで創造されたものとして設定されているので、多少技とかの素人っぽさがそれと感じられず、普通にかっこいいと思ってしまいました。

新たな一歩を踏み出したホリィ、続きが待ち遠しいのですが、どうやらここで終わりの様です。

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