ソフトバンククリエイティブ GA文庫 2009年01月
あらすじ
読書と手芸とインターネットが趣味という地味な高校生、沢村智美。
ある時電車に乗り遅れそうになった智美は、人間離れした美しさを持つ金髪碧眼の少女に助けられた。
彼女の制服は同じ高校のもの、彼女は事情があり学校を休学していたホリィ・ブローニングだった。
近寄りがたく、また誰も近づけさせないその態度に知美はお礼を言うことすらできなかった。
担任の雪村からホリィの不幸な事件を聞いた知美は、周りから距離を取る彼女に話しかけようとするが、冷たくあしらわれてしまう。
落ち込む知美だが、親友の櫻井優子がいつも支えてくれた。
しかし追い討ちをかけるように智美がネットで公開しているオリジナルファンタジー小説「黒騎士物語」がさらされてしまう。
そのひどい内容に知美は小説を削除し、手作りの登場人物のぬいぐるみも優子にあげた物以外は捨ててしまう。
冷たい仕打ちを受けたにも関わらず、ホリィの家にプリントを届けに行く途中、智美は「黒騎士物語」のホリィによく似た黒騎士・ランスロットが落ちているのを見つけ、それを手にホリィの家へと向かった。
ホリィの家で、知美はホリィと関わりがある奇妙な外国人に出会う。
そして彼女が彼女であった最後の時が訪れる。
感想
以前に刊行された小説の復刻版です。
本当に高瀬さんは復刊の嵐ですね、嬉しい限りです。
ただ天魔の羅刹兵と違い、カラミティナイトには重大な変更点が。
ホリィ。
重要人物の彼女ですが、以前は忍という男の子。
こちらはこちらで面白いのですが、智美が変化するのが男の子。というのが私はツボだったのでちょっと残念です。
イラストも変わってます、少し少女小説的になってしまい、その点でマイナス1点させてもらって、おススメ度は取りあえず8です。
けれどはじめて読む人にはそのあたりは気にすることでもないので、おススメ度は9でもいいと思います。
主人公智美は中学時代はいじめられていた地味な高校生。
優子という友達のおかげで普通に学校に通っていたのに、ホリィとの出会いで再び悩みだしてしまいます。
それはホリィが自分に誰も近づけさせないようにという気遣いからだったが、智美はそれを超えてしまいます。
内容は主人公が読書が趣味なだけあって、かなり漫画や小説、アニメに偏った文章なども出てきます。
それでも智美には好感が持てるのではないでしょうか。
そんな智美の周りで張り巡らされる罠。
ホリィを守ってきた騎士たち。
はじめて読んだ時は展開が読めずドキドキして読みました。