新潮社 新潮文庫 2008年01月
あらすじ
バルサはガンシルバ〈奴隷狩人〉に追われる男ユグノを助ける。美しい娘でもないのに狙われたのを不思議に思うが、ユグノはすばらしい歌声を持ち、〈木霊〉に見初められ長寿を与えられたリー・トゥ・ルエン〈木霊の思い人〉であった。
ガンシルバから逃れるため、バルザはタンダの元に向かった。
一方タンダは眠り続ける姪のカヤを診ていた。〈生命〉はあっても〈魂〉がない状態にトロガイへと相談を持ちかけるタンダ。
夢の中にある〈花〉の世界に捕らわれていたカヤ、タンダはカヤを起こすため一人〈魂呼ばい〉を始めるが、〈花〉の世界に入ったタンダは〈花番〉に体を取られ人鬼と化してしまう。
更に夢に捕らわれたのはカヤだけではなく、新ヨゴ皇国の一ノ妃、そしてチャグムまでも夢へと捕らえられていた。
ユグノは〈花〉と共に生まれていた。彼を〈花〉の世界へ戻すためユグノへと襲いかかるタンダ。バルサはユグノを守ろうとするが、相手がタンダであるために思うように力を振るえない。
しかし、そんな時チャグムが目を覚ます。タンダは〈花〉の中で自分の夢を守る呪文をかけており、その〈花〉の中でチャグムを見つけ、現世へと送りだしていた。
〈花〉にとらわれている魂を助けるため、そしてタンダを助けるため、バルサ達はシュガを通じチャグムに協力を依頼する。
感想
新ヨゴ皇国に戻ってきました。しかしタンダは鬼と化してしまいます。
前作の旅が終わり、戻ってみればまた事件。故郷から戻ってきたバルザに待っていたのは、鬼となり自分に襲い掛かるタンダ。
タンダを思い、啖呵を切るところなど、今回バルサがどんなにタンダを大切に思っているかがわかります。そして、一度は別れたチャグムとの再会。
しかし一番の衝撃はトロガイの過去でしょう。
ただ引き込まれる感じは前作2作品に少し劣るかな、と思います。