上橋菜穂子 闇の守り人

私のおすすめ度 9

新潮社 新潮文庫 2007年07月

あらすじ

チャグム、タンザと別れ、バルザは一人25年振りに故郷カンバル王国へと戻ってきた。
バルザは幼い頃、王座を巡る陰謀に巻き込まれ、父の親友ジグロと共に逃亡の日々を送っていた。
父はまもなく強盗に見せかけ暗殺され、バルザとジグロには追っ手がかかったが、百年に一度の天才といわれたジグロにより、すべて返り討ちにされている。
そのジグロも病に倒れ、バルザはその追っ手の数だけ人を救うと誓っていた。

そして故郷へと向かう洞窟の途中で、カッサとジナの兄弟を助ける。その兄弟を助けた事が、更なる陰謀へとバルザを誘う。

感想

前巻ではそれぞれの背景もあり根っからの悪役がというのはいませんでしたが、今回はとことん憎めるやつが出てきますね。
今回も一つの出来事がだんだんと大きくなっていきます。本人にその意思はなくとも揉め事を呼んでしまうのでしょう。

人物の性格付けというか、生かし方が上手いと思いました。カッサのいとこのカーム、脇役なのにいいところをさらっています。そういうの大好きです。

おそらく今回の旅で、バルサの心に一区切り付いた事でしょう。
1巻目と変わらず全体的にきれいな文章です、ほっとできる小説です。

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