フィリス・アイゼンシュタイン 氷の城の乙女 上

おススメ度 7

早川書房 ハヤカワ文庫 1997年07月

あらすじ

金属を支配する魔法使いクレイ・オルモル。彼は親友のフェルダー・セプィンと共に作った、見る者の心の望みを映す鏡に一人の少女を見た。
何年かのち、麗しい乙女へと成長したその少女を見たクレイは、彼女に会いに友人の妖魔達と旅に出る。

そしてたどり着いた場所は氷の城。その城で祖父により魔法使いの教育を受けている少女、アライザと出会う。

彼女は城の外とは接触を持たず、人間界など外の世界の事にはまったく興味が無い。
クレイはそんな彼女に外の世界の事を話し、アライザを外の世界へと連れ出す。

彼女の祖父、エブランドはそれを心良く思わないが、彼女は少しずつ外の世界へ興味を持ち始めた。

感想

あぁ、ファンタジーだな。と思いました。
特にドラゴンが出てくるでもなく、魔法合戦があるわけでもなく日常の世界観がファンタジーです。
のんびりとした感じで、魔法の定義が不思議です。主人公からして金属と織物をつかさどる魔法使いですし。

こういう雰囲気のファンタジーは久しぶりに読んだ気がします。どちらかと言うと、剣と魔法(魔法は無くてもいいですが)で戦ったりする冒険譚の方が好きなので。

けれど、ファンタジーの中にある恋愛物は嫌いじゃないのでこういう小説も好きです。ほのぼのファンタジーは苦手なのですが。その間の定義が難しいですけどね。

登場人物がそれほど多くないせいか外国の本にしては人物が整理しやすく、内容も簡単なので読みやすかったです。
妖魔の騎士(上)(下)の続きですが、一応これのみでも読む事が出来ます。しかしクレイの両親の話が非常に気になります。何故か父親は妖魔なのです。
後日、妖魔の騎士を読んだのですが、そちらの方も面白いです。

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