デイヴィッド・エディングス 予言の守護者 ベルガリアード物語 1

おススメ度 8

早川書房 ハヤカワ文庫 2005年02月

あらすじ

〈アルダーの珠〉を巡り、遥か昔神々は争った。だが魔術師ベルガラスにより、アルダーより珠を奪った神トラクは破れ去る。そして、トラクは他の神々が去った後も一人世界に留まった。

奪還した者達の一人、リヴァは〈珠〉を剣の柄頭とし、その剣と共に〈珠〉を守る役目を負うこととなり、跡継ぎとしてリヴァの子孫の一世代に一人だけ、右の掌に〈珠〉のしるしを持つ子供が現れた。
そして魔術師ベルガラスと娘ポルポラは、トラクを見張り続けるため無限の歳月を生き続ける。

農園に暮らすガリオンはポルおばさんと平和な時を過ごしていた。しかし、マーゴ人の手が伸びつつあるのを感じたポルと語り部のミスター・ウルフは、ガリオンと鍛冶屋のダーニクと共に旅に出る。
途中バラクとシルクを仲間に加え、何者かを追うため国を回るミスター・ウルフ。
彼こそが何千年と生きる魔術師ベルガラスであり、ポルおばさんはその娘ポルポラであった。何も知らずにいたガリオンだが、彼の手にはあるしるしがあった。

感想

ファンタジーです。王道の中の王道です。主人公が旅に出て、国々を回り。まるでRPGをプレイしているようでした。一つ目の国へ行き、王と会話をし、そこでの事件を解決し、次の国へ。これが繰り返されますが、その繰り返しを飽きさせない程に面白いし読み応えがあります。パーティーも徐々に増えていき、実はその面々も王家に連なっていたりと、これも王道を押さえています。
そしてなんといっても遥か昔の神々の争い、それが日本の神話のようで引き込まれます。更に、そこから派生する国々の広がり。誰が何人か?とすぐに分からないこともあるので多少苦労しますが、人種の多ささえ乗り切れば人物も多い割りに整理しやすく、主人公達のメンバーも、性格がきっちりと分かれているので混乱することなく読めます。

まだまだこの巻では主人公は周りの存在が大きすぎて、埋もれてしまいがちですが、それで終わるわけがないと期待させてくれます。

キャラクターとしてはダーニクが良かったです。主人公の旅の仲間では唯一の一般人であり、ただの鍛冶屋が争いに巻き込まれていく辛さ、そして本人の善人さ、パーティーの癒しのように感じられます。
多少分厚いので読むのには時間がかかりますが、時間をかける価値はあると思います。
この分厚い1冊にそれ以上の話が盛り込まれているように感じ、とても読み応えがあります。ポルおばさんの変わりようも面白いですし、おススメです。

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