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私のおすすめ度 9
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2008年06月
あらすじ
カンパニーの代表となり世界の乙女(メイデン)となったミミコ。
純白のスーツに身を固め、少し髪を伸ばしたミミコからは特区で暮らしていた頃のあどけなさはなくなっていた。
世界がまだまだ吸血鬼に対し偏見を持つ中、ジローもコタロウもいない中で仕事を続けるミミコ。
しかし彼女の元に協力する血統も現れ、遂に魔女モーガンの血統の長、アンヌ・ウォーロックが協定を申し出てきた。
カーサ達九龍の血統は放置できなくなったミミコを九龍化させる計画を立てる。
しかし彼女の周りには真銀刀、そしてアンヌもミミコの側にいる。
それをかいくぐりミミコの元へと迫る「九龍の血統」、彼女の首筋に牙を立てたのは「九龍の血統」の末の少女ワインだった。
感想
最初にミミコの挿絵を見た時、ミミコとわかりませんでした。
それぐらい大人の女性へと変わっています。
倒れんばかりに働き、それでも世界は吸血鬼への偏見を変える事はない。
その中、一人がんばっているミミコの姿が少し痛々しいです。
そして、ミミコに危険が迫っていても駆けつけることもできないジロー。
彼が吸血鬼の会議で彼らに見せた特区での日々。その中にはもちろんミミコが、そしてリンスケ、陣内、ヒバリ、サキ、スワン、他のカンパニーの面々。
人と吸血鬼が共存していた特区。もっと長く特区でミミコ達と共に過ごしてほしかった。
そして一人、アンダー・イヤーではあるが、九龍の血統を相手に特区で戦い続ける白峰サユカ。
いよいよカーサが九龍の血統に染まった経緯が語られそうです。ウォーロック家のアンヌ、決して情が通っていないわけではないその表情に、あざのさんの小説の上手さを垣間見た気がします。