富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2013年03月
あらすじ
春虎にかけられた呪術を解く際、暴走した鴉羽織により夏目は致命傷を負う。
必死で回復させようとする春虎だが、夏目の命は戻らなかった。
泰山府君祭で夏目を生き返らようとする春虎は、協力を申し出る倉橋源司の言葉に迷う。
しかし春虎はコンの言葉により、自分自身の力で夏目を蘇らせることを選択する。
生き返った時に、夏目が笑顔を見せてくれるため。
感想
第一部完結です。
前回ほどではないですが、ここで終わり……と、また次巻が気になる所です。
怒涛の展開というのは前巻の方がぴったり来ますが、この巻も面白かった。分厚いけど読みごたえがあってすぐに読んでしまった。
冬児・鈴鹿・京子・天馬たちは、春虎を取り戻すため陰陽庁への潜入を練っていますが、当然その動きは倉橋源司も探りを入れています。
この中で最も注目されていないのが天馬。
やっと彼の活躍の場がめぐってきます。
そして春虎を諭すコンがかっこいい。
今回は今まで以上に追い詰められた状況です。
DクラでもBBBでも終盤は同じく追い詰められる展開ですが、そこまでに至る展開のスタートダッシュがこの二作品に比べ劣っているように感じたレイブンズもやっとあの二作品に追いついてきたか!という感じです。
そして再び出てきた蘆屋道満。大友のメル友らしいです。
そしてまさかの大友との式神契約。
大友と木暮と早乙女鈴の関係は次巻以降に持ち越し。これも気になる。
コンの封印も解けます。これはまあ封印とかあるんだろうな、という感じはしてたので予想通りですね。
しかし敵側には京子の父親の倉橋源司、鈴鹿の父親の大連辞至道こと式神として蘇った夜叉丸。
お父さんばっかり。
鈴鹿の兄は生き返らずむしろ春虎は鈴鹿に説教したのに、自分は夏目を生き返らす、というのは読後にふと「これはあり?」と突っ込みたくなるのですが、読んでいるときはそんな事どうでもいいくらいに読み切ってしまえます。