富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2007年05月
あらすじ
ニーナが行方不明になり、そのきっかけを作ってしまったレイフォンは自分を責め、汚染獣に向かい突進する都市で、レイフォンはひたすらに戦い続ける。
リーリンはサヴァリスと共にグレンダンを目指すが、途中マイアスという学園都市で、窃盗事件があったため都市警察に身柄を拘束される。錬金鋼も没収され、宿泊施設で事件解決を待つが、そこにグレンダンで行方不明になったニーナが現れた。
更に学園都市マイアスは足を止めていた。盗まれたのは電子精霊だったのだ。リーリンは電子精霊を見つけるが、都市警察のロイに追い詰められる。そして足を止めていたため学園都市マイアスは汚染獣に見つかってしまう。
戦う理由をニーナに預けていたレイフォンは暴走気味に戦い続けていたが、フェリは倒れ、レイフォンも強制的に休息を取らされる。そんな時、グレンダンに人語を操る汚染獣が現れた。
カリアンとレイフォンはその汚染獣の呼び出しに応じ都市から出るが、汚染獣に導かれた先で赤い大地しかないはずの地に滝を見つける。
機械的な会話の汚染獣に、レイフォンは汚染獣というのは人類の作った機械が汚染物質によって変化したものではないかと推測する。
グレンダンへと戻る途中、別の汚染獣に襲われる二人。やっとグレンダンにたどり着いた時、そこにはニーナが待っていた。
感想
学園物が入っている割に淡々とした感じが抜けきれませんでしたが、今回のロイの出現でグッと熱さが増したのではないでしょうか?今までの登場人物が、色々恨みなどがあっても基本的に良い人を抜けきれなかった感があり、プラスの人物しか出てこないという印象がありました。それがマイナスの人間が出てきたことにより、物語が引き締まったと思います。
ただ、ニーナの行方不明の末の行動がよく理解できませんでした。廃貴族に何かをさせられているのだとは思うのですが、急にまったく知らない人物や名称が出てきたり、物事の説明も後になってようやく出てくるか、なし、という状態。
1巻目の剄の唐突さと似ていますが、せっかくロイの出現で物語が良くなったのに残念だと思いました。この説明さえされていればおススメ度を6にしたかった巻です。