高瀬彼方 天魔の羅刹兵 紅道譚

おススメ度 9

幻冬舎 幻狼fantasia novels 2008年09月

あらすじ

光秀の危機に何とか助けに入った小平太。光秀を先に行かせ、一人留まるが、逃亡する孫一たちを深追いしてしまい、小平太は狗神を大破させてしまう。

雑賀羅刹との戦いで、羅刹兵の改良に乗り出す斉藤内蔵助。そして、自分の羅刹兵を失った小平太も羅刹兵の荒霊の解析を行っていた。
その結果遠距離攻撃、走行、不安定な足場での安定性など改良を加えた羅刹兵「平蜘蛛」が完成した。しかし平蜘蛛は小平太には上手く反応せず、新しい搭乗者を募ることになった。

何千と言う中から、反応を示したのは松永弾正少弼久秀だった。
信長の家臣ではあったが、この羅刹兵を手に入れたことによって、久秀の中に再びある思惑が蘇える。

信長に対し、反旗を翻した久秀、しかし期待する上杉と毛利の助力はほとんどなかった。
だが平蜘蛛を擁する久秀、反乱鎮圧のため蒼月を操る光秀が討伐に向かうが、平蜘蛛の前になす術がなかった。

そこで信長の実子信忠より、蒼月に火薬を詰め込み、小平太を操縦者とし、平蜘蛛に特攻させると言う作戦が提案され、他に代案もなく、小平太は命を投げ出す覚悟をする。
そこに秀吉が蒼月の補修物資を運んできた。その中には上杉軍に敗れた柴田の羅刹兵の物資もあり、その量はもう一機羅刹兵を組み立てられるほどだった。
そして更に、秀吉は平蜘蛛に対してある秘策を授ける。

感想

復刻版2巻目です。旧版もここで終わっていました。やはり終わりなのでしょうか。
やはり面白い。何が上手いというと、何度も言いますが心情でしょうか。「ディバイデッド・フロント」でも思いましたが、小心者の小平太の内情を小平太側と第三者側とで書き分けてますが、もうそれが面白い。
武将達だけの話し合いなども、飛ばすことなくじっくりと読めるあたりはさすが高瀬さんだと思います。

そしてこの手によくある機体のチェンジが基本的に小平太にはありません。もちろん元の狗神を破壊させたので、新しい羅刹兵ですが、それはあくまでも改良したというだけで平蜘蛛に勝るのは燃費くらいです。
しかも、と内容をすべて話してしまいそうなので、ここは是非読んでください。と言っておきます。

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