駒崎優 扇舞う(1)

私のおすすめ度 6

幻冬舎 幻狼fantasia novels 2009年06月

あらすじ

隣国今居家の侵略を受ける中、元服し十二歳の若さで応義家の当主となった祥三郎。
城を囲まれた状況の中、隠居している長坂藤平衛に助力を求めに、祥三郎の遊び仲間でもある利助が一人城を抜け出す。

しかし一度は引退を決意した長坂藤平衛は、その少年の求めに応じない。
役目を果たせなかったと落ち込む利助に、長坂藤平衛の近侍の早瀬九郎佐衛門は再び当主と共に来るよう助言する。

血気にはやる家臣達を抑え、祥三郎は利助と共に藤平衛に会いに行く。
再び城へと戻った祥三郎の元には、利助の他に藤平衛と九郎佐衛門の姿があった。

まずは事態の打開のため、祥三郎以下全ての城内の者を城外へと逃れさせ、落ち延びた祥三郎達に藤平衛は海の海賊、鬼丸を味方につけるよう提案する。

感想

序盤はストーリーよりも、この小説の中での事実を淡々と書いてあり、当主としての自覚を持ち始めた祥三郎の落ち着きもあってか、普通の時代物の小説に近い印象でした。
所が一転、城から落ち延び、鬼丸の所に身を寄せるようになってからは、祥三郎が年相応の少年らしさが書かれ、前半の重さを払しょくし、軽く読み流せる感じになっていたでしょうか。

そして藤平衛達がじわりじわりと今居軍に向け計略を練っていく様は、少し上手くいきすぎて怖いくらいでもありました。
上手くいきすぎて伏線かなと、ちょっと読めてしまう所もありますが、全体的にさらりと読める小説です。

駒崎優 小説一覧へ

作者一覧へ

タイトルとURLをコピーしました