J.グレゴリイ・キイズ 小説一覧

[水の都の王女]
(上) (下)
[神住む森の勇者]
(上) (下)

水の都の王女(上)

おススメ度 4

早川書房 ハヤカワ文庫 1997年10月

王女ヘジはいとこのデンを探すため宮殿を抜け出そうとする。
この世界では霊となった者は名前の後に「ナタ」をつけ、彼女以外は皆デンのことをデナタと呼ぶが、ヘジはデンが生きていると信じていた。
しかし上手く宮殿を抜け出せないヘジは、その方法を探すため図書保管室へと通うが、ある日父に宮廷に呼び出され、そこで亡霊に襲われる。

小川の女神に恋する少年、ペルカル。
そこへ新しい領地を求め旅をする大族長が、山地の古き森パラトへ行き〈森の主〉と交渉しようとやってくる。
同行する事になったペルカルは仲間と共に旅に出る。

外国の本は時々抽象的だなと思います。私の読み込み方が足りないのか、目的までの過程がよくわからないときが度々あります。
これもそんな感じでした。文章のイメージは菅浩江さんに近いかもしれません。

雰囲気は多少暗めなファンタジーです。
ヘジとペルカルの話が平行で進んでいますが、今のところ話が交差することはありません。
単独で進むのか、いずれ交わるのか、そこは気になる所です。

ペルカルの旅で神が幾人か出てきますが、外国の神・精霊は独特な雰囲気があるなと思います。発想が日本と違います。

話自体は微妙によくわからない話でした。何をしたいのかはわかるのですが。ペルカルの方は同行者などが多いため、話の整理に時間がかかりました。

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水の都の王女(下)

おススメ度 5

早川書房 ハヤカワ文庫 1997年10月

神の剣〈ハルカ〉を手に入れたペルカル、しかしヌガンガタ以外の仲間を失ってしまう。
ヘジは内に眠る大河の力が強くなっていくのを感じる。その力に導かれるようにノール王国へと向かうペルカル。

デンの行方を突き止め、知らずにいた方が良かったという現実に直面し、次第に図書保管室への足も遠のくヘジ。
しかしヘジは自分の体の変化を目の当たりにし、デンとは違う道を探し始める。
そしてペルカルはノール王国へと到着する。

(上)では何の接点もなかった二人がやっと巡り合います。少し面白くなってきました。

ペルカルの成長が著しいです。が、やはり全体的に話が掴みづらいと言う印象は変わりません。

あれほど出てきた神もあまり出てこなくなり、後半は人物も制限され、上巻より整理しやすいです。
ただ全体的に淡々とした印象が拭えないため、それが嫌いと言うわけではないのですが、どうにも面白いとは言いがたい作品でした。

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神住む森の勇者(上)

おススメ度 4

早川書房 ハヤカワ文庫 1998年05月

大河より逃れてきたヘジはペルカルと共に〈馬の兄弟〉の元で暮らしていた。
ヌガンガタと女神に会いに行ったペルカルは、途中罪もない女性を殺してしまう原因を作った〈黒き神〉カラクに出会う。カラクはペルカルに大河〈取り替えっ子〉を滅ぼす手段があると教える。

村に戻ってきたペルカルは「へら棒叩き」を挑まれ瀕死の重傷を負ってしまい、ヘジはペルカルを救うため、自分の中にある大河の力を使おうとする。

一方大河もヘジを手に入れるため、ゲーを〈魂食い〉として蘇らせた。
ゲーは王を丸め込み、ガーンと共にヘジの元を目指す。

「水の都の王女」の続編です。
この巻を読んでて、前巻の内容がやっと理解出来た所も度々ありました。

ヘジがとうとう自分の中の大河の力と向き合います。そしてヘジを求め船出したゲー。
暗殺者ですがゲーが微妙に嫌いになれないです、まさか蘇ってくるとは思いませんでした。
ただ、こればかりは仕方がないのですが、日本語ではどうもゲーという名前からはあまりかっこいい青年を想像できず、「水の都の王女」の方でもヘジに迫るあたりは、少し笑いながら読んでしまいました。

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神住む森の勇者(下)

おススメ度 4

早川書房 ハヤカワ文庫 1998年05月

ペルカルはヘジに大河を殺す力があると告げられないまま旅を続け、ヘジは自分の中の力を着実に身に着け始めた。

ガーンと共にヘジを追うゲーだが、同行するクウェン・シェンの術により自分を見失いかける。

様々な妨害に遭いながらも、ペルカル達は大河へとたどり着く。そしてゲーもヘジと再会する。

様々な思惑が絡み合ってるなと言うのは分かるのですが、結局最後まで整理し切れませんでした。
過程はわかるのですが、どうにも私には結果を読み取る力がないようです。

読み続けられたのは、ゲーとガーンの微妙な協定関係が好きだったからでしょうか。
ガーンを殺してしまうか?しかし、それではガーンを慕うヘジが悲しむ、とゲーが苦悩するあたりは読んでいて面白かったです。

エピローグもしっかりと書かれてあり、そこは高評価です。
ですが、全体的に少し盛り上がりに欠けるような話でした。

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あ行 か行 さ行た行な行は行ま行や行ら行わ行