荻野目悠樹 江戸剣客遊戯 二 侍ふたり、暴れて候

私のおすすめ度 8

富士見書房 新時代小説文庫 2015年4月

あらすじ

市中を騒がす辻斬りの現場をお里が目撃してしまった。何とか二人の男から逃げ切ったお里だったが、辻斬りを見たことを他人に話してしまい、命を狙われる羽目になってしまった。

彼女を心配する慎吾に頼まれ、柊虎之助はお里を護衛をすることになるが、二人で転がり込んだ先は橘隆志郎の長屋だった。

目撃者を排除しようと、辻斬りの犯人たちが長屋を襲撃するが、虎之助と隆志郎により阻止される。
隆志郎が今までの辻斬りを洗ってみると、老中千坂家の若君左馬之助と家臣鈴宮平八郎が浮かび上がってきた。

感想

時代劇としてよくあるパターンの話だと思いますが、虎之助と隆志郎でうまく話が展開していて読み飽きず面白かったです。

目的はほぼ一緒なのに、全く協調しない虎之助と隆志郎の普段かみ合っていないのに、時々かみ合うのがすごくくいい。
互いをどういう人間か認めていても、全く仲良くなりたいと思っていないのがよくわかり読んでいて楽しいです。

荻野目さんの小説では、時代劇という事もあり、文章はあっさりとした印象を受けるのですが、内容自体は濃さを感じてバランスがいいと思います。

話は先ほど書いた通りよくあるパターンですが、話がテンポよく進み、虎之助と隆志郎二人と辻斬り達が相手を探り合いつつ最後に対峙かな?と思えば、結構途中でお互いの存在に気づき、何度も対面したり。
どこで落とすんだろう?と思ったら、全てひっくるめてすっきりするので、最後は爽快です。荻野目悠樹 小説一覧へ

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