荻野目悠樹 江戸剣客遊戯 一 侍ふたり、跳ねて候

私のおすすめ度 8

富士見書房 新時代小説文庫 2014年10月

あらすじ

用心棒の真似事をしている浪人橘隆志郎は、ある時何者かに追われている新伍という少年と的場弾左衛門という男を助ける。
何やら事情がある二人を助ければ金になると踏んだ隆志郎は新伍達に協力を申し出た。
そして新伍達からある男と連絡を取ってほしいと頼まれ向かった先は、以前出会ったいけ好かない相手、柊虎之助だった。

実は新伍は大名笠原家のご落胤であり、隆志郎たちはその陰謀に巻き込まれていく。

感想

あらすじをざっと書くと、時代劇としてはありきたりなのかもしれませんが、すごく面白かった。
虎之助から見たらいい加減な隆志郎、隆志郎から見たら頭の固い虎之助もある意味パターンのキャラクターなのですが、なぜかニヤリと笑わせてくれるのはやはり荻野目さんという所でしょうか。

話自体も小難しくなく、すごく読みやすい。
荻野目さんの作品は今まではSF、ファンタジーばかりだったのですが、時代劇もすごく合っています。ソードギャラクシーの始まりも、一瞬時代劇かと思うくらい時代劇っぽかったですしね。

隆志郎と虎之助のやり取りも面白いです。最後の虎之助の慌てっぷりが、以前読んだ時に爆笑した双星記を思い出します。

余談ですが、橘隆志郎と柊虎之助ですが、全くこの話と関係ない所で、「橘」と「虎」が入っている所に某蜃気楼を思い出してテンションが上がります。荻野目悠樹 小説一覧へ

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