角川書店 角川スニーカー文庫 2000年11月
あらすじ
月が巨大化していく、何の異常も起こらない現状に、人々はそれに直前まで気づかなかった。
そして月が落ちてきた。
それから五十年。
人は月の影響を受け、体に変貌を起こし始めた。
その侵食を抑えるための薬の効果の減少が起こる。一度「心」まで侵食が進んだ者達は二度と「人」に戻れず、「評議会」の「律」を破ったものと同様「標的」として「夜狩り」に抹殺される運命にあった。
「夜狩り」の一人、雲林院京四郎にオルダニア製薬より新薬開発のため、第一種保存対象、月の影響を一切受けていない遺伝子を持つ彼と、パートナーの桜と共に協力して欲しいと依頼が来たが、京四郎はすげなく断る。
「評議会」からの依頼で「標的」を狩りに行く京四郎、しかしその「標的」は京四郎達を喰らおうとしていた。
何か異変を感じ、しばらく「夜狩り」の仕事を中断した京四郎は、町の老婆より「月の光りを浴びても変わらなかった者の、その肉を喰らえば「人」戻ることが出来る」という噂があり、そして、「月から逃れた者達」が町にいるという噂も出回っていると聞かされた。
そんな中、京四郎を護衛をすると言い張ったオルダニア製薬の美鈴がさらわれる。
感想
雰囲気は嫌いじゃない、主人公の性格も嫌いじゃないし、挿絵も及第点。
なのに今ひとつなのは文章の面白さによります。
ストーリーもそこそこなのに、何故か読むのが面倒くさいと感じてしまう作品です。もちろん人によるのでしょうが。
雰囲気はカウボーイ・ビバップに近い。ただそれを期待しすぎると肩透かしを食らいます。
一つの原因は要点を散りばめすぎ、いくつかの要点を拾い、あぁそういうことなんだ。と気づいていくのがこの文章ではちょっと苦痛でした。
退廃的な世界の雰囲気は感じ取れるのでもったいないなと思う作品です。
美人で刀の使い手の相棒、桜なんかは結構ツボを付いてたんですけども。
全体的にもう一つ何かが足りないという作品でした。
ジャンルを分けるとしたら近未来ファンタジー格闘ノベル?
悩んだのでその他にしています。
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