早川書房 ハヤカワ文庫 1993年12月
あらすじ
ハクーリと言う異性種族の恒星船で生まれたジョン・ウイリアム・ワシントン、ハクーリの友人達からはサンディーと呼ばれている。
彼の両親は宇宙を漂流していたところをハクーリに助けられるがすでに死亡しており、 母親の胎内にいたサンディーだけはなんとか助かりハクーリの中で育てられた。
サンディーはハクーリの中でただ一人の地球人として、地球に補給を頼むため、いく人かの仲間と地球人を装えるよう訓練を始める。
一人ハクーリではないサンディーだけは地球の女性に憧れを抱きながら、地上へと降り立つ。
秘密裏に行動していたはずなのだが、地球人にすぐに発見され質問攻めにされながらも、サンディーはある一人の女性と打ち解けていく。
人類は宇宙空間に漂う無数の宇宙ごみのせいで、宇宙へと飛び立つ事が出来なくなっていた。それらの支援を申し入れるハクーリ達だが、人々の反応は薄い。
そして、ハクーリと人類の陰謀にサンディーは巻き込まれていく。
感想
文章は読みやすく、話も面白かったと言えます。あまり人間に近くない宇宙人(というか獣でしょうか)が出てくる小説は苦手なのですが、これは読めました。
地球人を装うため、映像などで勉強しますが、その様子も笑えます。基本はアメリカの映画ですが。
ただ一つネックなのは主人公の女性への熱心さ、でしょうか。女の端くれとしては、もうすこし主人公に潔癖さを求めたかった。女たらしでもかまいませんが、それとは次元が違うので。
ただ最後に主人公はものすごく精神的に成長します。先ほども書きましたが、話は面白いと思います。
ハクーリが多くいますが、別に名前を覚えなくても整理して読めました。重要なハクーリは何度も名前が出てくるので勝手に覚えてしまいますし、そんな意味でも読みやすい話だと思います。