ジーン・M.アウル 大地の子エイラ(中) 始原への旅だち第1部

私のおすすめ度 8

評論社 評論社文庫 1988年06月

評論社 評論社文庫 1988年06月

あらすじ

石投げに興味を持ったエイラは石投げの名手、ゾウグに近づき、その技をこっそりと会得していく。
そして女には禁じられている狩をしようと決意する。
その時奇妙な貝の形をした石を発見するが、それを洞穴ライオンのしるしだと受け取り、ブラウドのことも試練だと、命令にも従順になる。

体型が違うため、泳ぐ事が出来るエイラは、漁に出かけた先で、溺れたオナを助ける事が出来た。
泳ぐ事が出来ないブルン達には、溺れたら生きて帰ることはほとんど不可能だった。
それがきっかけでオナの母親アガや道具作りの名人ドルーグと親しくなり、少しずつ一族に溶け込んでいく。

まじない女としても成長しつつあったエイラは、マンモス狩りへの同行が許された。
しかしそこでブラウドの息子ブラクがハイエナに攫われかけ、とっさにエイラは石投げを使ってしまう。
女には触ることも許されない武器、女が武器に触ることは死を意味していた。
リーダーのブルンはエイラを一ヶ月の死の呪いを受ける事とした。

何とか一人で一ヶ月を生き残ったエイラは、狩をする女として条件付で狩りをする事を認められた。

10歳になったエイラはブラウドに反抗する事もなくなっていたが、それが面白くないブラウドはエイラにつれあいの行為を求めた。

感想

寿命が短い分、成長も早いです。クレブも30過ぎで老人扱いです。
氏族は二十数人規模の集団なのですが、子供を表す時も男の連れ合いの子、のような感じで、結婚概念がまるっきり違います。
そのあたりは人間より多少動物に近い感じがしました。
そして女は触れてもいけない武器を使ったエイラ。その技はゾウグを凌ぐ程で、連続で命中させる事も出来るほどでした。
それは体の構造の違いだからですね。泳ぐ事もそうですが、10歳になったエイラは背も高く、自分と周りの違いを自覚していきます。

そして子供が出来るという概念もまた違います。
男の霊が女の霊に勝ったときに宿ると考えられています。しかしやがてエイラはそれに疑問を持ち始めます。
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