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私のおすすめ度 9
角川書店 角川スニーカー文庫 1993年10月
あらすじ
月影の店に、以前月影と司を袖にした女性が訪れた。その彼女に修理を頼まれたペンダントの石、それは文也がつけている、母の形見と同じ石だった。
再び地維家の使い魔に操られた人間に襲われた文也。橙子は文也と共にかなえの家を偵察に向かうことを決意する。しかしホテルで一泳ぎした後、文也は高熱を出し寝込んでしまう。
心配する橙子だが、司はいつもの事だから放っておくしかないという言葉通り、翌朝にはすっかり回復する。
改めて地維家へ向かう二人だが、文也にランドクルーザーの男が襲いかかってきた。
地維家に逃げ込んだ文也だが、かなえに衝撃波をくらい池に落ち、再び熱を出し寝込んでしまう。
いつもと違う熱の出し方に、さすがに心配した司が月影と共に幻界の通路で文也を迎えに行くが、なす術のない司に、月影は空知家の守り手、あのペンダントを持っていた天宮薫に連絡を取った。
感想
笑えます。内容紹介だけを読めば笑う要素はないと思われますが、話だけでは神秘的なイメージだったかなえが、世間とずれた感覚の持ち主には違いないのですが、そこまでずれていない、という性格が笑えます。
自分の力のせいで、平安時代からの自宅の庭を衝撃破でふっ飛ばしてしまうのですが、その惨状にさすがに辟易するあたり、読んでて声を出して笑ってしまいます。結局まともな人物は天宮薫くらいかもしれません。
司の文也を心配しているのかどうかわからない微妙な一言にも、真剣な場面なのに笑いを誘われます。
そして城地千太郎や大輔、久地慶忠の面々も憎めないキャラです。
少しずつ空知家の核心に迫りつつあります。