高瀬美恵 ユーフォリオン

おススメ度 6

アスキー・メディアワークス 電撃文庫 2002年12月

あらすじ

いじめにあっている空音は死を体験できる薬「ユーフォリオン」をミギワに貰った。詩を体験しながら、本当に生き返ることが出来た空音は少しずつ心が強くなっていく。それが薬のせいだと気がつくが、ミギワは大量のユーフォリオンを持ち出し姿を消してしまう。

空音はミギワを探すため、同級生の勇人、兄の礼人、そして礼人の彼女であり、ミギワの姉の湊と共にミギワの残した携帯番号を頼りに四条理と接触するが、彼こそがユーフォリオンを作り出した一人だった。

感想

「南風吹く日に」に比べれば高瀬美恵さんらしい本でした。特に四条理と鷺沼隆行あたりの関係は高瀬さんらしく、上手いなと思う。「破壊伝」のあの二人や「帝都夢幻道」のあの二人を思い出します。主人公も共感できますし、苦手なミステリー調でしたが高瀬さんの文章の面白さがあって読みやすいです。
あまり電撃っぽくはない作品ですが、よく高瀬さんの本を出してくれましたと拍手を送りたいです。

高瀬さんの小説はストーリーも面白いのが多いのですが、キャラクターが上手いです。この本も何気ない性格の主人公達ですが、高瀬さんが書かれると他とは一味違う良さがあると思います。どこが?といわれると困るのですが、本当に些細な差なんです。
それは長編を読むと良く分かります。ただ、この本は女性男性どちらでも読めると思いますが、長編はホワイトハートとかに多いので、男性は手に取りにくいのが残念です。

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