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おススメ度 8
講談社 講談社文庫 2010年09月
あらすじ
坂崎あすなは移動教室の後の自分の机の中に、自分の死亡記事を書いたノートを見つける。
そのノートの持ち主は河野基、その生徒は同じクラスメートの小瀬友春からいじめを受けていた。
酷いいじめを受ける河野に、いつか達は自殺した生徒が河野ではないかと疑う。
違うかもしれないという可能性もあるが、まずは河野基の自殺の可能性をなくすため、いつか達は河野基のいじめの原因を取り除こうとする。
河野のいじめの原因は水泳だった。
水泳を得意にしていたいつかは河野に泳ぎの特訓を始め、やがてあすなもそれに加わり二人は少しずつ上達していく。
そして友春の前で見事に25mを泳ぎ切った河野に、友春はもういじめないと約束する。
自殺があったという十二月二十四日に何とか間に合ったと安堵するいつか達だったが、その二日前にあすなはなぜか友春と一緒にいる河野を見つけてしまう。
感想
高校生が一生懸命やっている姿についつい読みながら応援してしまいます。
そして何よりどんでん返しにやられたと思いました。
台詞に泣いてしまいます。
ええ? まさか!! という展開です。
自殺者を捜す事より、止めるために努力する。
それが下巻のテーマです。
その全ての結果が最後のどんでん返しです。
友春の二面性や河野の時々見せる積極性、そのちょっとした違和感の理由に気付いた時、ああそうだったのかと思わず納得。
ただ他がすっきりするのにタイムスリップの事がいまいち分からずじまいなのが残念です。
しかしそんな事は気にならないくらい面白い小説でした。