茅田砂胡 夜の展覧会 クラッシュ・ブレイズ

私のおすすめ度 7
中央公論新社 C・novels fantasia 2007年11月

あらすじ

リイは美術館で昔の画家が描いたルウの絵を見つけるが、それには未来のリイへと手紙が書き添えられていた。
その貴重な美術品の絵を手に入れようとするが、簡単に手に入るわけもなく、手に入れる手段を模索しているうちにその絵が盗まれてしまう。

リイは父であるアーサーを巻き込んでその絵を取返そうとする。

感想

クラッシュブレイズの9巻目です。
このシリーズは全体的にこうであってほしいというツボを付いてきますが、今回はあっさりめです。
他の巻に比べて、引き込まれ具合が今一つという感じでした。

茅田砂胡 サイモンの災難 クラッシュ・ブレイズ

私のおすすめ度 7
中央公論新社 C・novels fantasia 2008年03月

あらすじ

映画監督サイモンは、作成する映画の登場人物のイメージにぴったりの学生を発見し、少年ヴァンツァーに声をかけるが、あっさりとかわされてしまう。不審人物と睨んだヴァンツァーだったが、主演女優のアイリーンの取り成しもあり、リイ達も連れて映画の撮影の見学に訪れる。しかし、何故かサイモンの周りでは事件が連発する。

その頃宇宙船の落下により橋が壊れ、そこから24年前に殺された少年の遺体が発見されていた。
市警察はその少年が、以前サイモンの隣に住んでいた少年であり、サイモンに再度捜査の協力を求めに来る。

感想

クラッシュブレイズの10巻目です。
私は、どうも映画というかお芝居が絡む話が苦手です。このシリーズは好きなのですが、この題材を持ち出されるとだめですね。
しかしリイ達以外も何かと巻き込まれます。デルフィニアを読んでいると、ヴァンツァーが映画に出ないかと誘われる所なんて想像できません。違和感を覚えるのは、やはりデルフィニアのファンタジーの世界観が抜けないからでしょうか。

茅田砂胡 マルグリートの輪舞曲 クラッシュ・ブレイズ

私のおすすめ度 7
中央公論新社 C・novels fantasia 2008年07月

あらすじ

「優しい狼」
リイの姉、ドミが体験入学にやってきた。
そこで憧れていたフットボール選手のキアラン・コードウェルから、ひどい侮蔑の言葉を投げられる。
リイはキアランを徹底的に叩きのめすため、女性の姿に戻り、キアランを手ひどく振る、という作戦を立てる。

「初戀の詩」
ヴァンツァーにジンジャーから元の姿でのデートのお誘いが来た。
ジンジャーは18歳の少年レオから求婚されており、恋人役を頼んだのだが、レオは何者かに攫われてしまう。

「怪獣の宴」
ジンジャーの舞台を見に行くと決めたジャスミン。
ケリーも誘い、久々にドレスも新調し出掛けるが、そこで謎の手紙を渡される。
その手紙は暗殺の相手を知らせるもので、間違えられたジャスミンは攫われてしまう。

感想

クラッシュ・ブレイズの11巻目です。
久しぶりのリイの女性バージョンです。着飾ったジャスミンも素敵です。
すべての話がリンクしていますが、ドミのためとはいえ、リイも良くやるな、という感じです。芝居だと割り切っているのでしょう。ヴァンツァーも割を食っています。

女性のリイを読むと、どうしてもデルフィニアを思い出します。やっぱりウォルとか好きでした。このシリーズでは一番好きです。

「怪獣の宴」、ぴったりの題です。ケリーも髪型を変えるだけで別人ですね。さすが元クーア財閥総帥。
しかしジャスミンを攫うとは、大変だと思う前に勇気があるなと感心してしまいました。

茅田砂胡 追憶のカレン クラッシュ・ブレイズ

私のおすすめ度 7
中央公論新社 C・novels fantasia 2008年11月

あらすじ

シエラがある少女と共に行方不明になった。
その少女は遺体で発見され、シエラは死んだものと思われたが、リイとルウはシエラの捜索を始める。

一方レイブンウッド家~遺失物の依頼を受けていたグレン警部は、そこでシエラによく似た少年を見つける。

感想

今回の見どころは、個人的にジャスミンのスーツ姿だと思います。
私の中では少しマンネリ化してきた感が無きにしも非ずです。「デルフィニア」や「スカーレット・ウィザード」に比べ手に汗握る感がないからでしょうか
それでも読んでしまうのは文章が好きだからなのですが。
どちらかというとミステリー仕立てな感じで、それが苦手だからそう思うのかもしれません。

茅田砂胡 海賊とウェディング・ベル クラッシュ・ブレイズ

私のおすすめ度 8
中央公論新社 C・novels fantasia 2009年03月

あらすじ

ジャスミンは偶然に出会った少女から、海賊に襲われ人質となっている父親達を助けてほしいと頼まれる。

少女の父親達が所属するクーア本社にるよと、他の船員は解放されていたが、少女の父親たちは解放されず海賊たちの客人として滞在する事になったと伝えられ、それ以上の交渉は打ち切られたとの事だった。

彼らを助け出すため、ケリーと共に海賊が出る宙域へと向かうジャスミンだが、そこで砲撃を受け、彼女は目的の地、ガリアナへ不時着する。

感想

いつもよりおすすめ度を上げたのは、単純に面白かったからです。
リイ達も好きなのですが、どうしてもデルフィニアと比べてしまいます。
その点ジャスミンとケリーはスカーレット・ウィザードの延長線上にあるので、比べる物がない分面白く感じます。
そしておいしいとこを突いたダンが良かった。
砲撃されたジャスミンをかばったのはダンですし、両親を信じたのもダンです。
少女に頼まれ助けに行った先の男達も面白い、ジャスミンが活躍しまくっています。

茅田砂胡 逆転のクレヴァス クラッシュ・ブレイズ

私のおすすめ度 7
中央公論新社 C・novels fantasia 2009年07月

あらすじ

リイが誘拐された。
家族とシエラ達は全く心配しないが、警察はそうもいかず犯人を探し始める。

リイは自分の意思で誘拐犯のミックについてきたのだが、どうもただの誘拐事件ではない事に気づき、誘拐犯の彼に協力し始める。

感想

ある意味常識を持っていて時々間違っているリイ達ですが、今回はそれを上回る人物が現れます。
誘拐された息子を全く心配しない家族を見る警察官たちが笑えますね。
久々にシエラの女装全開です。

茅田砂胡 オディールの騎士 クラッシュ・ブレイズ

私のおすすめ度 7
中央公論新社 C・novels fantasia 2009年11月

あらすじ

保養地でゆっくりと過ごすケリーとジャスミン。
そこのカジノで奇妙なゲームに付き合わされるケリー、その主催者はホテルのオーナーの娘のオディールだった。

それ以降何故か二人を引き裂こうとする者が現れたりと、彼らに災難が降りかかる。
挙句の果てに警察に逮捕されるジャスミン、しかし今度は逆にオディールの婚約発表パーティーに招待される。
やがてケリーの逆鱗に触れたオディールの父からケリーとの仲を取り持って欲しいという言う言葉に、ジャスミンはある惑星が欲しいと申し出る。

感想

今までと比べると、特に事件という事件がなく、大人しい感じでした。
後半は何と言うかケリーとジャスミンにちょっかいを出したがために、たらいまわしにされる話です。
ある意味ケチョンケチョンにされる様は読んでて楽しいですが。
前半のジャスミンに対する物凄い勘違いとかをさらっとスルーしている所は面白かったのですが、後半はちょっとぐだぐだ感が拭えませんでした。

茅田砂胡 天使たちの課外活動

私のおすすめ度 6
中央公論新社 C・novels fantasia 2011年07月

あらすじ

十四歳になったリイとシエラは課外活動を始められるようになるが、それぞれの得意分野を考えると何をするか悩んでしまう。

何をするか悩む中、元寮長の団体がリイ達に会いたいとやって来るが、監察委員よりその元寮長の一人アクセルがストーカーの疑いがあると聞かされる。
濡れ衣だと確信するハンスは、何かと縁のあるリイとシエラにアクセルの無実を証明してほしいと頼み込んだ。

ストーカーの疑いがかかったのは、被害者の所へアクセルの端末から隠し撮り写真が送信されていたからだが、その時間はアクセルのアリバイがあり、端末は別の人物も使っていた。
その人物はライジャ・ストーク・サリザンという戒律に厳しい惑星トゥールークの僧侶だった。

感想

新しいメインキャラの登場です。
ケリーやジャスミンとはまた違ったタイプの、それでも印象的な人物です。
ストーリーはまたいつものように事件に巻き込まれて、という感じです。
今回はシエラもリイ並みに活躍していますね。
この巻ではまだリイ達はどんな課外活動をするか決めかねています。
なのでテーマに沿って行動は次の巻以降ですね。

茅田砂胡 天使たちの課外活動(2) ライジャの靴下

私のおすすめ度 6
中央公論新社 C・novels fantasia 2012年03月

あらすじ

リイ、ルウ、シエラは悩んだ結果、「困った事があればご相談ください」という課外活動を始める事になった。
その最初の依頼者はライジャだった。送り主不明のド派手な靴下の持ち主に、好意からであれば謝辞を述べたいというライジャに、リイ達は協力する。

贈り物の靴下を手掛かりに送り主を探し始めるが、その先で手編みのカーディガンが盗まれたり、挙句の果てにライジャが襲われてしまう。

感想

実はメモ書きを消してしまって、内容は何とか思い出せたのですが、感想の方が思い出せませんでした。
最後に入っているライジャの師匠の話は、ライジャの師匠なだけあって圧巻です。

茅田砂胡 天使たちの課外活動(3) テオの日替わり料理店

私のおすすめ度 6
中央公論新社 C・novels fantasia 2013年03月

あらすじ

リイとシエラは授業の一環である社会体験学習をどこでするか悩んでいた。
たまたま相談していた飲食店の主人ジェイソンより、テオドールという男の料理店を手伝わないかと誘われる。
テオの店は奥さんを亡くしたためしばらく閉店状態で、孫の治療費のため再び店を始めたのだが、閉店状態時の影響で客が全く戻ってこなかった。
ジェイソンは二人に客寄せになってもらおうと思ったのだ。

ジェイソンよりテオの料理の腕を聞いたリイとシエラは彼の店に行ってみるが、店は荒れ放題、主人は不衛生な格好、明らかにテオは接客には向いていなかった。
しかし、料理の腕は超一流だった。
二人はテオの店で働き始めるが、なぜかテオの店の周りで物騒な事が起こり始める。

感想

料理の事以外に興味がないテオ、そんな彼の店を徐々に立て直していくのは王道的で読んでいて面白かった。
テオのキャラクターがかなり強烈なのですが、今までの短編に比べればかなり入り込める話でした。

で、やっぱりそれだけでは終わらず、茅田さん的な実は奥さんはお金持ちの娘さんで、という流れになっていくのですが、料理一辺倒のテオがその奥さんにどれだけ惚れていたかというのが伝わってきて、思わずジーンとしてしまいます。

茅田砂胡 天使たちの課外活動(4) アンヌの野兎

私のおすすめ度 7
中央公論新社 C・novels fantasia 2014年08月

あらすじ

ジャスミンとケリーに誘われたダンは、立て直したテオの店で昼食を取っていた。
そこで有名な投資家、パラデューを見つける。実はパラデューはテオの亡くなった妻アンナの父親だった。

ある日テオは息子のヨハンに店を任せ食材の調達に出かけたのだが、テオが刃物を持っていたため警察に捕まったとヨハンの元に連絡が入る。
慌てて父は料理人だと釈明するヨハンだったが、店を訪れていたパラデューが助け船を出す。
パラデューはテオの身柄を引き取りに行くと、世渡りのできないテオを心配し、そのままテオと共に食材の調達に同行する事になった。
順調に調達は進んでいたが、料理に関することなら食器や絵画にまで目利きの効くテオに目を付けた男達にテオが攫われる。

ルウに頼まれ二人の後を付けていたジャスミンとケリーはテオの救出に向かった。

感想

まさかのテオの話の続きです。
前巻で和解するまでテオを嫌っていたパラデューが性格を一変させ、世話焼き爺さんになっています。
ほぼおじさんとおじいさんの珍道中ですが、面白かった。

最初にクーア一家が出てきたのはトゥルークの海賊の伏線かなと思います。
私はこのダンを含めた一家が好きなので、見た目が自分より年下の両親と昼食をとるダンがかわいくて仕方ありません。

今回は材料調達の珍道中がメインで、定番の事件自体はあっさりとしたものです。
それよりパラデューがアンナのお父さんという立場だけで自分を見てくれる人々の交流がなんもと言えず笑えます。

前巻と揃って一気読みしてしまいました。

茅田砂胡 天使たちの課外活動(5) 笑顔の代償

おススメ度 6

中央公論新社 C・novels fantasia 2015年03月

あらすじ

ヴァンツァーは学校でビアンカの継母ブリジットとその息子ティムと待ち合わせをしていた。
満面の笑みで二人と会話を交わすヴァンツァーだったが、その後学園でとんでもない噂が広がる事になる。

リィ達はレティから学校でいじめを受けていると相談を受けるが、更にライジャからも女人と交わりたいとの無理難題の相談を持ちかけられた。
頭を悩ますリィ達だが、その後ブリジットの周りで異変が起こり始める。

感想

らしくない人たちがらしくない噂を立てられる、という話でしょうか。
ライジャの件はおまけのような感じですね。トゥルークでの一件があり、今後は考えを変えていこうとして四苦八苦していますが、相変わらず空回りで笑ってしまいます。

まだヴァンツァーはデルフィニアの頃の思考が抜けない感じがして相変わらずな部分もありますが、この巻まででずいぶん変わってきたかなとも思います。

茅田砂胡 トゥルークの海賊(1)

私のおすすめ度 7

中央公論新社 C・novels fantasia 2012年07月

あらすじ

ライジャの出身地であるトゥルークの領海内で、頻発する海賊退治を依頼されたケリーとジャスミン。
しかしその事件に絡むだろう羅合という薬は、トゥルークの元僧侶であるライジャの両親より薬その物の提供は無理だと拒否されてしまう。有力な手がかりを得られないケリー達だったが、海賊の調査の為トゥルークへと向かった。
そこでケリーとジャスミンは、伝説の宇宙海賊の船の名をかたる一団と対峙する。

感想

ジャスミン、ライジャの母親のエルヴァリータと友達になる、の巻でしょうか。
父親であるダレスティーヤも元々僧侶であるため、かなり変わった家族生活だったんだろうなと思います。
そのあたりは面白いのですが、ちょっとストーリーに「ん?」と思ったのは、この話の前日談が別にあったからです。
読んだ当時ネットで無料公開されていたのであわてて読んだのですが、やっぱりそっちを読まないとこの話は唐突すぎます。
結局文庫化されるらしいですが。(これを公開する時点ではすでに文庫に収録済み)

中盤辺りはトゥルークの僧侶の特徴が色々書かれていて、それは茅田さんらしいなと思いました。
ただほぼ半分ライジャの家族の話になっていて、あらすじをどう書くかすごく悩みます。
このシリーズは他の巻もそうなのですが。

終わりの方はスカーレット・ウィザードを思い出させる内容で続きが楽しみです。
やっぱりこの世界観にはこの夫婦の方がぴったり来ます。
リイ達はどうしてもファンタジーの印象が強いので。

茅田砂胡 トゥルークの海賊(2)

私のおすすめ度 7
中央公論新社 C・novels fantasia 2013年07月

あらすじ

二代目グランド・セヴンを名乗る一団に、伝説の大海を賊実際に知るケリーは激怒した。
ケリーとジャスミンは偽の一団に攻撃を加えるが、なぜが全ての攻撃が外れてしまう。
原因はその宙域にあるのだが、攻撃が当たらない理由が分からないまま戦闘が進む中、連邦軍が現れたことにより偽の一団はゲートから逃げて行った。

感想

最初に伝説の大海賊たちとケリーの話があるのでてっきりケリー達が偽の一団を叩きのめすのかと思ったら、何とも言えない幕切れでした。
偽の一団を叩きのめす爽快感は次にお預けですね。

サリース・ゴオランことアドレイヤさんを助けるくだりはいつもの感じですね。
ルウの鶴の一声です。
ライジャの両親も凄く好きなので、ルウに新しい僧籍の名で呼ばれるのはこれはこれでよかったなと思います。両親というかこの夫婦が好きですね。

あとちょいちょい出てくるカール・ミラン大佐もそれほど目立たない役どころですがおいしい役どころで結構好きです。

茅田砂胡 トゥルークの海賊(4)

私のおすすめ度 7

中央公論新社 C・novels fantasia 2013年07月

あらすじ

ダレスティーヤとエルヴァリータ夫妻の最高位への就任式に、ジャスミンやルウが招待された。
ジャスミンはパラス・アテナでトゥルークへ向かいたいが、ダイアナが猛烈に対抗する。同じくルウも。もうトゥルークへは行きたくないと、二人で家出を決行してしまった。

感想

地味にダンが面白い巻です。
ダンとジェームズ、ケリーとダンと親子会話が二倍楽しめますし、久々のジャスミンの母親&祖母っぽいセリフも読めて、非常に楽しい話でした。

茅田砂胡 パピヨンルージュと嵐の星

私のおすすめ度 6

中央公論新社 C・novels fantasia 2015年12月

あらすじ

ジャスミンの元に、以前渓谷競争に参加した時に出会った整備士ガストーネから連絡が入った。
今、渓谷競争では障害物競走が流行っているのだが、怪物級の渓谷競争でも障害物競走が行われようとしていた。
しかし、重くてでかい怪物級では何度試験飛行をやっても完走できる人が誰もいなかった。
そこでジャスミンなら完走できるかもしれないと、試験飛行を頼まれる。

感想

久々の渓谷競争の話ですが、前回はあのジャスミンを口説く男がいたという方が印象的でした。
今回はざっくばらんに言うと、障害物競走の技術者と飛翔士のいざこざに巻き込まれたという感じです。

事件も起きたりしますが、肝心の真相は次巻へ持ち越しでしょうか。
前半より後半の方が読んでて面白かったです。

茅田砂胡 祝もものき事務所

私のおすすめ度 6
中央公論新社 C・novels fantasia 2010年11月

あらすじ

探偵もどきの仕事をしているもものき事務所に、物的証拠・アリバイ・動機、全てが揃っている容疑者の弟から無実を晴らしてほしいとの依頼が舞い込んだ。
まったく働く気のない所長の百之喜太郎だったが、秘書の花祥院凰華はその依頼を受け調査に乗り出す。

容疑者の黄瀬隆の身辺を探ってみると、彼が殺した渡邊三成は会社の同僚であり、恋人の元彼でもあった。
その調査の帰り道、百之喜は道に迷ってしまい、東京の郊外まで行ってしまう。
しかしその場所は依頼者椿江利の元婚約者の出身地だった。

感想

何度も書きますが、私は推理物が苦手。
それでも一気に読めたのは、これは主人公の百之喜が無意識に事件の手がかりに行き当たってしまうという、推理物でもなんでもない方法で解決に近づいていくからかもしれません。
全てがそうなのではなく、百之喜の友人たち、弁護士の雉名俊介、公務員の鬼光智也、格闘家の犬槇蓮翔、舞台役者の芳猿梓の協力があり、真実に近づいていきます。

推理物が苦手な私はいいのですが、推理物を読みたい人にとっては物足りない小説かなと思います。

小説自体は茅田さんらしく、人物の説明が長いです。どんな人物か、どんな家系か、それがくどくどと書かれています。
このあたりはリイのシリーズに近いものがありますね。

物語の解決方法は本当に偶然なので、この小説を推理物と取るかで好みが分かれそうですが、人物は主人公側より周りが強烈ですね。

茅田砂胡 祝もものき事務所(2)

私のおすすめ度 6
中央公論新社 C・novels fantasia 2011年11月

あらすじ

今回もものき事務所に持ち込まれた依頼は、ある店で倒れた男性を助けたが、処置が適切だったが自信がないので、その男性の無事を確かめてほしいとのことだった。

その男性は糖尿病で倒れたらしいのだが、話によると依頼者の前に助けようとした人物の行動は明らかにその男性を殺してしまうような行動をとっていた。

その男性、華林を見つけた百之喜達は華林が何者かに狙われているのに気づく。
華林は、実父が資産家でその実父が亡くなった時莫大な遺産を受け取る予定だったのだ。

感想

前回も遺産がらみでしたが、今回も遺産がらみです。
若干同じネタ?と思わないでもないですが、遺産関係になると資産家でもない限り事件にはならないので仕方ないかなというところ。

前回も思いましたが、とにかく強い女性は強い。ダメな女はダメダメと二極化していますね、茅田さんの作品は。
強い女性は好きなので、読んでいて小気味良い小説です。
人物についても前回と同じく、くどくどと説明されています。そのあたりもやっぱりリイのシリーズと同じです。
リイシリーズの事件物の回を現代物で読んでいる感じですね。

茅田砂胡 祝もものき事務所(3)

私のおすすめ度 6
中央公論新社 C・novels fantasia 2012年11月

あらすじ

「犬槇蓮翔と『見合いクラッシャー』」
犬槇蓮翔は芳猿梓の姉美緒と見合い相手の木戸と偶然出くわし、さらにその後高梨浩紀という人物と出会い、美緒にこの結婚はやめた方がいいと伝えてくれと頼まれる。
元々付き合う気のなかった美緒は木戸との婚約はお断りするが、ある夜何者かに襲われた。

「芳猿梓の『お留守番』」
出張中の友達の下村の家で留守番をしていた芳猿梓。
ある時泥棒に入られたことに気づき、調べてみると下村が彼女から貰った兄の形見の腕時計がなくなっていた。
警察に届け出たが、疑われたのは芳猿梓だった。

「鬼光智也は『昭和の男』」
鬼光智也は妹の塔子がろくでもない男に引っかかっていると聞き、その相手北に会いに行くが、北は自分の方こそ塔子にしつこくつきまとわれているという。
喧嘩別れに終わり、塔子とも喧嘩した鬼光智也だが、百之喜太郎との会話の中である事に気づく。

「雉名俊介に『天敵現る』」
個人事務所を開いたばかりの雉名俊介の元に、百之喜太郎が家を追い出されると駆け込んできた。
何とか家を手放さずに済むよう駆け回るが、そこには百之喜太郎の祖母百千代のある思惑が絡んでいた。

「百之喜と凰花が『最悪の出会い』」
銀子から紹介されたもものき事務所だったが、凰花にはまだ百之喜という人物がつかめないでいた。
ある時飛行機に乗って依頼者の元へ行くことになるのだが、朝から偶然が重なり空港へたどり着けない。
百之喜は普段とは違う真剣な口調で今日はいかない方がいいと言う。
納得できない凰花だったが、テレビでは乗るはずだった飛行機の事故のニュースが流れていた。

感想

今回は短編集です。
幼馴染の4人のそれぞれ百之喜とのエピソードや、百之喜のちょっとした過去が読めます。
何だかんだ言って仲がいいなという感じです。

しかし4人の家族も中々つわものです。
このキャラづけはすごいなといつも思います。

「鬼光智也は『昭和の男』」を読んでいるとき、個人的に高校生の頃友達をあだ名じゃなく苗字を呼び捨てにする人ってあまりいなかったように思うのですが、今は違うのかと、小説の中の高校生とのギャップにちょっと落ち込みました。

茅田砂胡 祝もものき事務所(4)

私のおすすめ度 7

中央公論新社 C・novels fantasia 2015年07月

あらすじ

始めたばかりのもものき事務所に、初めてのお客さんがやってきた。
依頼者は鳳華の大学時代の先輩である芹沢達也。
先日彼の本家筋にあたる当主が若くして亡くなり、その当主の遺言により、達也が実は当主の実の息子だと知らされる。
跡を継ぐ気のない達也は、自分を巻き込んだ一連の騒動が何とか収まるよう、百之喜達を本家の桜池家へと招待する。

感想

登場人物は多いです。誰が誰の子供で、実はあの人とあの人の子供、と少し考えて読まなければいけませんが、結論が気になって一気に読んでしまいました。

今回は百之喜特有の偶然もそれほどなく、鳳華を先頭に謎を解いていく感じです。
この流れの方が前巻までに比べ、読みやすくなったなと思います。

茅田砂胡 茅田砂胡全仕事1993-2013

私のおすすめ度 8

中央公論新社 C・novels fantasia 2013年11月

あらすじ

「紅蓮の夢」
リィの家族が乗った豪華客船が故障した。
慌てて逃げる乗客達だったが、駆けつけたリィ達により全員無事脱出する。
はずだったのだが、突如船から人体反応が感じられた。

ダイアナが慌ててその人物をスクリーンに映してみると、その個性的な服装にケリー達は首をかしげる。
現れた人物はデルフィニア国王のウォルだった。

リィ達が戻ってきてから一年、ウォルの世界では十年経っていた。
何故この世界へ飛ばされた分からないが、ウォルはリィの家族とも顔を合わせることができ、ルウの力により何事もなく元の世界へと戻っていった。

しかしウォルがこの世界へ来た原因は、ルウが繋げたウォルの世界の映像で判明する。
デルフィニアはパラスとト軍に侵攻され、圧倒的な勢力の前に危機に陥っていた。
かつての勝利の女神、妃将軍のリィをデルフィニアの人々は切望していた。

リィは幾度も共に戦った仲間とウォルのため、再びデルフィニアの世界へと向かった。

感想

もう待ってました!
という話です。
よくあるパターンの話ですが、これが読みたかった!と声を大にして言いたいです。

リィの世界へ来るウォルもそうですが、再びウォルの世界へ行くリィの話も読みたかった。
なによりウォル達のその後がしっかりと読めます。

ひとたびデルフィニアの話に突入すると読むのがやめられません。
デルフィニア戦記を読んだ時、一日中読みふけるほどのめりこんだのを思い出しました。

懐かしいウォルやイヴン、バルロの掛け合い、ポーラやロザモンド、ラティーナとの再会。
懐かしくて懐かしくて、そしてこのデルフィニアの世界観がやっぱり大好きだなと再確認しました。

リィの世界ではウォルが普通の服を着るのですが、よく挿絵を入れてくれました!
とにかくいろんなことがギュッと詰め込まれています。
書き下ろし自体がかなり長いので、この長さも嬉しい限り。読んで損なしです。

他に書きおろしはありますが、私の一番はやっぱりデルフィニアです。

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