賀東招二 戦うボーイ・ミーツ・ガール フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 1998年09月
あらすじ
世界最強の武装集団「ミスリル」所属の相良宗介軍曹は、千鳥かなめの護衛のため陣代高校へとやってきた。戦場での生活しか知らない宗介は初めて平和な高校生活を体験する。
何事も起こらず任務も終了かと思われたが、修学旅行で沖縄に向かう途中、かなめを狙うテロリストに飛行機をジャックされてしまう。
一人連れ去られたかなめを救うため、宗介は救援を待たず助けに向かった。
傭兵仲間のクルツと共に敵機に追い詰められた時、意志を増幅させる機械「ラムダ・ドライバ」を搭載した「アーバレスト」が送られてきた。
上手く使いこなせない宗介、そしてかなめの中で「ウィスパード」の知識が目覚める。
感想
フルメタル・パニック!の1巻目です。
読んだのは10年ぶりです。実は当時は高校の図書館で借りていたのですが、本編より短編集の方が好きで、本編をあまり覚えていませんでした。1巻目はさすがに多少は覚えていましたが。
短編は学園物のコメディっぽいのですが、本編はそれなりにシリアスで、ロボット物(?)です。当時もう少し濃いSFにはまっていたので、どうにもフルメタは薄い印象を受けていました。なので本編は流し読みでした。
しかし、アニメで見るとそういえば本編も面白かったなと思い出し、もう一回読んでみようと思い立ちました。
やはり少しロボット物・SF物には足りない感がありますが、宗介とかなめの関係がそれを補っていると私は思います。
純粋な恋愛物はあんまり好きではないのですが、こういうメインが恋愛物ではない恋愛は好きなのです。
特にぶっきらぼうな主人公は私のツボです。これから少しずつ根っからの傭兵だった性格が抜けていく宗介がいい感じです。
ですので、本当のロボット物・SF物を求める方には若干物足りない作品ではないかと思いますが、富士見ファンタジアというどちらかと言うと若い世代向けの文庫である事、それを考えるなら、内容の引き込まれ具合といい及第点だと思います。
内容の引き込まれ具合はあくまで女の私の目線からなので、男性にはどうでしょうか?SF面を重点に見るか、それ以外で見るかで評価が分かれそうな気はします。
1巻目ではミスリルやアーバレストも登場しただけ、と言う感じが抜けません。
しかしこの先結構重い展開などもあります。1巻目でSFを読みたいのに、少し軽くない?と思った方はもう少し読んでみてください。
賀東招二 揺れるイントゥ・ザ・ブルー フルメタル・パニック!>
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2000年02月
あらすじ
宗介に「南の島へ行こう」と言われたかなめ、しかし連れて行かれた先は誕生1周年を祝うテッサ率いる潜水艦「トゥアハー・デ・ダナン」だった。その後の任務で宗介が対戦したのは死んだと思われていたガウルンだった。
ラムダ・ドライバを積んだ最新鋭のASに乗りながらも、その力を使いこなせない宗介。
何とかガウルンを捕虜にしながらも、自分の不甲斐無さに宗介はかなめに八つ当たりしてしまう。
そして艦内では内通者がガウルンの拘束を解いていた、発令所に向かうガウルンに捕らえられるかなめ。
発令所を占拠され、艦のコンピューターさえも乗っ取られ、艦員が前部に集められる中、異変を感じた宗介とクルツは発令所へと向かう。
感想
フルメタル・パニック!3巻目です。
どこが好き?と聞かれれば最後、と言い切ります。アニメでも好きな場面です。
ノリ的には確かに軽いかもしれない、と感じることもありますが、ドキドキして読めました。
垣間見えてくる宗介の感情がいいです。あの宗介がかなめに八つ当たり。そして八つ当たりしたまま艦はガウルンに乗っ取られます。
実直な戦いを続けてきた宗介に、不確定なラムダ・ドライバを搭載したアーバレスト。反応するのが自分だけで、嫌悪しているのに搭乗しなければならない。
先を言ってしまいますが、助けたかなめに言うセリフ、とても人間的で好きです。
賀東招二 終わるデイ・バイ・デイ(上) フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2000年11月
あらすじ
先日の内通者を手配した男の拘束に向かうマオとクルツ。撤退時に見つかってしまうが、宗介が助けに入る。中間テストの最中で、休みが続き成績の芳しくない宗介、漠然と進級できないかも知れないことに不安を覚える。
そしてかなめの護衛、ミスリルの仕事、アーバレストの操縦、宗介にかかる負担にマオは不安を覚える。
任務から戻った宗介は、少し伸びてきた髪をかなめに切ってもらっていた。
それはまどろみを誘うほどの安らぎの時間だった。
そんな宗介の元に、ミスリルよりかなめの護衛の解除の通達が届いた。
感想
フルメタル・パニック!の4巻目です。
この巻をテレビで見た時に、読み返したいと思いました。
宗介がかなめに髪を切ってもらっているシーン、これが良かった。アニメでは本当に宗介がうたた寝をしています。いつも周囲に警戒を怠らない宗介が、これほど安心しているシーン、その後のかなめの護衛の解除のシーンと対照的でグッと来ました。
そしてテッサに対しても意見を口にする宗介、半年の間に何かが宗介を変えていました。
ここまで来るとフルメタにどっぷりとはまりました。
本当にアニメの散髪のシーンは名シーンだと私は思います。
そして宗介が去り、残されたかなめ。
宗介にも新しい上官、そしてアーバレストの操縦と試練が待ち受けています。宗介の内面の山場です。
賀東招二 終わるデイ・バイ・デイ(下) フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2001年04月
あらすじ
新しい上司クルーゾー中尉にASで打ち負かされる宗介。宗介はどうしてもアーバレストへの嫌悪を捨てきれなかった。マオと共に新たな任務に就くが、宗介は任務を放棄し香港の街へと消えていく。
かなめは何者かに付けられていると確信し、一人で行動を開始する。上手く相手を見つけるが、監視していたのは「ミスリル」の情報部の人間で、彼女を“狙って”いたのは別の人物だった。
命を狙われたかなめを助けたのはテッサの兄、レナード・テスタロッサ。
一方宗介は彷徨う香港の街で残されているあるメッセージを見つける。それは宗介にしか分からない暗号だった。
その暗号をたどっていくと、死んだはずのガウルンへとたどり着いた。
感想
フルメタル・パニック!の5巻目です。
宗介がいない中、必死で行動するかなめ。
任務を捨て街を彷徨い、再びガウルンに出会う宗介。そしてその先での再会。
ラムダ・ドライバを起動させた宗介、本当にかっこよかったです。
そして最後の宗介の啖呵、上官命令は絶対だったあの宗介がと。
もうここは読んでください。あの宗介が自分の望むのままに行動します。
最初の頃からは想像できないその姿が、本当に良かったです。
二人の気持ちがだいぶ整理されてきています。
今回の事件が二人にとって辛いものだっただけに、感動もひとしおです。
ですが、レナードの出現といい、新しい伏線なども出てきておりこの先の不安と共に次が気になります。
賀東招二 踊るベリー・メリー・クリスマス フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2003年03月
あらすじ
陣代高校で、ハイジャックにあった修学旅行の代わりに豪華客船クルーズが計画された。十二月二十四日、かなめの誕生日だった。
しかし宗介は任務のため参加できない。
船は再びシージャックされた、その犯人はテッサたちミスリル。船の船長達こそが、かなめを狙う「アマルガム」の人間だった。
船を制圧したかに見えたミスリルの前に立ちはだかったのは、等身大のASだった。
圧倒的な力に苦戦するミスリルに、かなめは自分が囮になることを提案する。
感想
フルメタル・パニック!の6巻目です。
かなりニヤリとくる巻です。
マデューカスの艦を指揮する姿も見物ですが、なんと言っても宗介とかなめです。
宗介がかなめに対する独白がたまらない、そしてとうとうテッサの前で自分の感情を認めます。
宗介もアーバレストもだんだんと使いこなせてきています、なんと便利な、と思わない事もないですが。
今はすべてがいい感じになってきていますが、最後の振りがこの先の更なる戦いを暗示しているようで、漠然とした不安に襲われます。
賀東招二 音程は哀しく、射程は遠く フルメタル・パニック!-サイドアームズ-
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2004年04月
あらすじ
「音程は哀しく、射程は遠く」クルツは日本で中学時代の先生と再会する。憧れを抱いていた先生に、ついギターを続けていると嘘をついてしまう。
しかしこれがきっかけで変わる事が出来るかもしれない、そう思ったクルツはミスリルの仲間を集め、即席でバンドを作り、一夜だけライブを開き先生を招待しようとする。
しかし先生はすでに教職を離れていた。
「エド・サックス中尉のきわめて専門的な戦い」
主にASの整備に当たるエドワード・ブルーザー・サックス中尉から見た宗介達と彼らのASの操縦の見解。
「女神の来日(温泉編)」
2週間だけ陣代高校に編入してきたテッサと宗介達が温泉に行く。
「よいこのじかん」
マオがAS未経験のヤン・ジュンギュ伍長にASの操縦を教える。
「ある作戦直前の一幕」
ある作戦の前に口げんかする宗介とクルツ。仲裁に入るマオだが、二人から聞かされたのは互いにすごいと感じた名前も知らないASの話だった。
感想
フルメタル・パニック!の7巻目です。今回は短編集で、ミスリル側が多めです。
「音程は哀しく、射程は遠く」ではクルツが傭兵になった経緯が少し書かれています。
こういう普通だった頃を知ってしまうと、何となく辛いものがあります。空回り系な話は少し苦手なのですが、さらっと書かれてあり、中々面白かったです。
やってしまった温泉編。別に抵抗はないので、女性は読み飛ばしてくださいという、かなめたちの入浴シーンの描写もきっちりと読みました。女湯を覗こうとするのはもはやお決まりでしょうか。
「ある作戦直前の一幕」、何だかんだ言ってという感じです。仲裁に入ったマオに説得される二人が、結局似たり寄ったりなところが可愛いです。
賀東招二 つづくオン・マイ・オウン フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2004年10月
あらすじ
「そろそろ無理だと思うよ」林水の言葉どおり、平穏な時は終わりを告げた。
かなめを狙うレナード、宗介は意地でもかなめを渡そうとはしない。
しかしアマルガムの攻撃に、一人立ち向かう宗介に逃げ場はなかった。
メリダ島でもミスリルはアマルガムの攻撃を受けていた。
多大な犠牲を払いながらも、何とか脱出するテッサ達。
恭子や学校まで人質にとられ、レナードに敗北する宗介。
かなめもレナードと共に去り、宗介はクラスの皆に別れを告げる。
感想
フルメタル・パニック!の8巻目です。
林水会長のセリフを読んだ時、遂にこの時が来たか、と思いました。
これから長い長編に入ります。
「手をつなごう」
幸せの中にいたのに、その先にあるのは、かなめとの別れの時。
ミスリルも壊滅的な打撃を受け、救助の手さえ差し伸べられない。
そんな中、気絶させてまでかなめを守ろうとする宗介。
林水、レイス、協力者がいてもレナードを防げなかった。
学校がぼろぼろになり、すべての疑心の目の中、学校に戻りすべてを話す宗介。
そしてかなめを取り戻しに二度と振り返ることなく学校を去る宗介。
宗介がいい方向でわがままになってます。逆にそれがとても辛いのですが。
序盤とそれ以後の幸福の差が更にそれを感じさせます。
賀東招二 燃えるワン・マン・フォース フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2006年01月
あらすじ
かなめを取り戻すためナムサクという街を訪れた宗介。そこではASでの賭け試合が行われており、オーナーの一人、ナミのところで雇われる。
順調に勝ち進む中、「アマルガム」と係わりのある人物と接触する。その人物から更に闇の試合へと出ることになる宗介。対戦するのはM9だった。
勝負に勝ち、敵の近くに潜伏する宗介。しかし人質に取られていたナミを目の前で殺されてしまう。
ナミの元で一緒だったフランスの諜報機関の人間、レモンの協力を受けながら戦い続ける宗介だが、敵の銃弾を受け瀕死の重傷を負ってしまう。
感想
フルメタル・パニック!の9巻目です。
かなめの代わりのヒロインかなと思っていたナミ、その意外なあっけなさに少しびっくりしました。
そして、何人も殺してきた宗介に彼女の死は一つの心の傷となります。
日本と違いナムサクでは何も浮くところのない宗介。
その暮らしが合っていると分かりながらも、それでもかなめを探し続けます。
アルも失った宗介、しかしレイスたちはある機体を組み上げます。
この長編の次の段階へのステップ、という感じでした。
賀東招二 極北からの声 フルメタル・パニック!-サイドアームズ2-
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2006年07月
あらすじ
「極北からの声」ソ連の新鋭艦で任務に着くカリーニン。
その艦の前で日本の旅客機が墜落した。
救助に向かうカリーニン、救い出したのはサガラソースケと言う少年だった。
「〈テュアハー・デ・ダナン〉号の誕生」
最新鋭の攻撃原潜の艦長に抜擢されたマデューカス。
彼はカール・テスタロッサの家へと招待されるが、そこでまだ幼いテスタロッサに出会う。
「大食いのコムラード」
ペットの猫を見に宗介の部屋へとやってきたかなめ。
そこにいたのは猫ではなくトラだった。
感想
フルメタル・パニック!の10巻目です。そしてミスリル側短編集その2です。
幼い宗介の可愛さにびっくりです。カラーもそうですが、挿絵のぬいぐるみを抱きかかえてる宗介が幼いとはいえ、まったくの別人に見えます。
その可愛い宗介が傭兵となる原因が書かれています。このまま大きくなっていたら、普通の高校生だったのにと、しみじみ思いました。
そしてカリーニンが若い、マデューカスもかっこいい。
本編で少しだけ語られた二組の出会いの話です。
賀東招二 つどうメイク・マイ・デイ フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2007年03月
あらすじ
少しずつアマルガムに迫るテッサ達。そして何とか回復した宗介もレモン達の助けを借り、かなめへと近づいていく。
かなめがいる邸宅へと向かう宗介はそこでクルツとマオと再会するが、その前にアマルガムへと寝返ったカリーニンが立ちふさがる。
追い詰められる宗介の前に、アーバレストをベースにした新しい機体「レーバテイン」が下ろされた。
レナードの元から逃げ出そうとするかなめ、しかし一度宗介から逃げてしまったかなめは、なかなか一歩が踏み出せない。
そんなかなめに自分を撃てばいいとチャンスを与えるレナード。
撃てないかなめを無理やり連れて行こうとしたとき、暴発した銃によりレナードは意識を失う。
結局逃げる事が出来なかったかなめ、しかし何とか宗介に無線で話しかける。
感想
フルメタル・パニック!の11巻目です。
どこかで重要人物が裏切るだろうとは思っていたけど、カリーニンでしたか。
消去法でいったらこの人かな?というところでしょうか。
テッサも失った部下のため必死で戦います。
瀕死の宗介もなまった体を必死で鍛えなおし、かなめを助けに行きます。
それでも届かないかなめ。
最後の無線での会話。読んでて恥ずかしいくらいです。
クルツでなくともからかってしまいそうです。
SFではお決まりの新しい機体も出てきます。
再会したクルツたちとのコンビネーションも、懐かしい感じです。
賀東招二 せまるニック・オブ・タイム フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2008年02月
あらすじ
再びミスリルに戻る宗介。テッサは宗介とクルツと共に、ウィスパードの秘密が眠るソ連の廃墟へと向かった。
同じく廃墟に来ていたかなめと捉えられていたレモン、戦闘の中テッサは二人と再会する。
ウィスパードの真実に触れるかなめとテッサ、しかしやっと再会した宗介の前に現れたかなめは「ささやく者」に精神を乗っ取られていた。
廃墟から脱出する宗介を援護するクルツ。しかし敵はクルツの狙撃の師匠だった。瀕死を負いながらもクルツはカスパーを狙う。
感想
フルメタル・パニック!の12巻目です。
前半は昔のミスリルでの生活が戻って来た感じでした。
久々に本編で笑えたりしたのですが、後半は真逆の重い展開でした。
とうとうきてしまったか、という展開です。
今回はクルツが活躍です。なぜ大金がいるのかなど、過去も明かされます。
ウィスパードの真実にも近づいてきて、いよいよ大詰めでしょうか?
前半で宗介とクルツがテッサの前であせり、フォローしようと必死な宗介が面白かったです。
今回はいつもと違い少し分厚めで、読み応えがありました。
レモンとレイスのコンビもなかなかです。
賀東招二 ずっと、スタンド・バイ・ミー(上)(下) フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2010年07月・2010年08月
あらすじ
ミスリルはアマルガムに対し辛抱強く抵抗していた。テッサは皆に解雇を告げるが、もちろん宗介は残りかなめの救出の機会をうかがう。
やがてトゥアハー・デ・ダナンは瀕死の状況に陥り、テッサ達は白兵戦へと向かった。
一方宗介の前にレナードが立ちはだかる。
しかし更にその先に待っていたのは、ミスリルを裏切ったカリーニンだった。
感想
長かった連載もこれで終わりです。
この上下で一番かっこいいと思ったのは白兵戦時のマデューカスです、ちょっと意外というのが好きなので。
(上)の最初には久々にかなめの同級生達が出てきます。
ほんの少し前まで、この高校生達の中にいたんですよね。かなめだけでなく宗介も。
いい具合にわがままになっていく宗介、それでもやっぱり軍人思考から完璧には抜け出せませんが、最後のあのシーンはかなめに会って変わっていった結果ではないかと思います。
面白かったのですが、かなめが攫われる前までの方が面白かったです。
11巻目からは少しパターンになってしまったかなと思います。
カリーニンが裏切った理由は、ああそうだったんだと。
「極北からの声」や普段の宗介とカリーニンを読んでいると、避けられなかったのかとつい思ってしまいます。
「お前には才能がない」、その後の会話がやっぱり上手い。
幼い頃から戦場にいて、もう普通に戻る事はできませんが、今からその中へ入る事は出来ると思います。
ストーリーも面白いのですが、“会話”の方がより面白い小説でした。
賀東招二 放っておけない一匹狼? フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 1998年12月
あらすじ
「南から来た男」宗介の下駄箱に誰かが開けた形跡があった。
不審を抱く宗介は下駄箱を爆破するが、その中身の残骸を見たかなめはラブレターだと確信する。
「愛憎のプロパガンタ」
白井という生徒に交際を申し込まれるかなめ。あっさりと振るが、後日学校でかなめの中傷が書かれる。
「鋼鉄のサマーイリュージョン」
海に出かけた宗介達。かなめはある家に招待されるが、拉致と勘違いした宗介がその家に乗り込んでくる。
「恋人はスペシャリスト」
白井に振られた瑞樹は、友達に彼氏を紹介しろと言われて、宗介を代役に仕立てる。
「芸術のハンバーガーヒル」
絵のモデルをする宗介だが、モデルの定義を勘違いする。
「シンデレラ・パニック!」
シンデレラのパロディです。
感想
フルメタル・パニック!短編集の1巻目です。
読み返すまでフルメタはこの短編集のイメージが強かったです。
とにかく短編集は爆笑しました。
本編はなんだかんだ言ってもシリアスなので、ギャグ要素があっても途中から真面目になる事が多いですが、こちは延々と笑えます。
生徒会長の林水も印象深いです。
「恋人はスペシャリスト」の普通の学生を演じようとする宗介の芝居に爆笑しました。
アニメでもありましたが、「好きだ」と言い続ける宗介、どちかと言うと笑うより照れてしまいます。
本編と違い、どちらかと言うと学園物がメインです。
賀東招二 本気になれない二死満塁? フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 1999年05月
あらすじ
「妥協無用のホステージ」以前追い払った不良にさらわれたかなめ。かなめ救出のため、宗介はある作戦を考える。
「空回りのランチタイム」
提出に厳しい古典のノートをかなめから借りた宗介、うっかり忘れたため昼休みに二人で取りに戻る。
「罰当たりなリーサルウェポン」
神社でバイトしているかなめのところへやってきた宗介は、神社の御神宝に疑惑を持つ。
「やりすぎのウォークライ」
気弱なラグビー部員、廃部の危機に宗介が部員を指導する。
「一途なステイク・アウト」
昔好きだった先輩と再会したかなめ。二人で遊園地に行くが、宗介と恭子はこっそり後を付ける。
「キャプテン・アミーゴと黄金の日々」
宗介とクルツはパブのマスターから貰った地図を頼りに宝探しをする。
感想
フルメタル・パニック!短編集の2巻目です。
「罰当たりなリーサルウェポン」は声を出して大笑いしました。
これだけは電車で読めない、と確信した本です。
「キャプテン・アミーゴと黄金の日々」で、せっかくかなめと恭子の夕飯の誘いを断ってきたのに任務が中止で肩を落とす宗介が可愛いらしいです。
「一途なステイク・アウト」のちょっとした宗介のかなめへの心遣いなど、笑いの中にある優しさが散りばめられています。
賀東招二 自慢にならない三冠王? フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 1999年10月
あらすじ
「すれ違いのホスティリティ」高校の出張パン屋を休業に追い込んだ宗介、かなめと二人で代わりを務める。
「大迷惑のスーサイド」
球技大会に中止をしないと自殺するという脅迫状が生徒会に届く。球技大会に燃えるかなめは犯人を見つけるため奔走する。
「押し売りのフェティッシュ」
髪を無理やりポニーテールにする変態に襲われた恭子。成り行きでかなめはおとり捜査に協力することになる。
「雄弁なポートレート」
美術の水星先生に自分の評価を聞いて欲しいと神楽坂先生に頼まれるかなめ。
宗介を通して聞いていると、どうやら嫌われているらしいのだが。
「暗闇のペイシェント」
幽霊物を怖がらない宗介を、幽霊スポットへと連れて行く。
「猫と子猫のR&R」
喧嘩をしたテッサとマオはASの勝負をする。
感想
フルメタル・パニック!短編集の3巻目です。
なんとなく「雄弁なポートレート」が好きです。宗介を恋愛ごとに巻き込んではいけません。
「暗闇のペイシェント」、宗介のような人がお化け屋敷にいる時に近くにいると心強いですね。
「猫と子猫のR&R」、宗介とクルツはあきれているけど、女の友情ってこんなものよといいたくなる話です。
今回は爆笑するような話はありませんでしたが、「猫と子猫のR&R」でテッサにASの指南を頼まれ混乱している宗介が可愛いです。
賀東招二 同情できない四面楚歌 フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2000年06月
あらすじ
「磯の香りのクックロビン」貴重な生物をサザエと勘違いしたかなめが調理してしまう。
「追憶のイノセンント」
生徒会長の過去の話。
「おとなのスニーキング・ミッション」
学校の近くに出来た、ある場所に潜入捜査する。
「エンゲージ、シックス、セブン」
宗介とクルツとマオの出会いの話。
感想
フルメタル・パニック!短編集の4巻目です。
「追憶のイノセンント」、途中でギャグになるのかと手に汗握りながら読んでしまいました。あの会長の少し意外な過去がわかります。
普通の秀才の鼻持ちならない人間だった自分にそれを気づかせてくれた人。そんな人と出会えたから、違う自分になれた。という会長のかなりシリアスな話です。
「エンゲージ、シックス、セブン」はアニメでも少しありましたが、改めて読むと面白いです。組織に胡散臭さを抱いている宗介とクルツは手を抜きながら訓練をしていたが、いざ実戦というときには、というこの展開が好きです。
賀東招二 どうにもならない五里霧中 フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2001年10月
あらすじ
「純で不順なグラップラー」空手同好会の部室が壊される事になったが、同好会は立ち退きを拒否している。
宗介とかなめは空手同好会と交渉に行くが、結局力勝負になってしまう。
「善意のトレスパス」
空手同好会の部長、椿一成は宗介に再び勝負を挑もうとするが、すべて空振りに終わる。
そこで林水会長が用務員の大貫の手伝いをし、その評価で決める事を提案する。
「仁義なきファンシー」
生徒会の書記、美樹原蓮の家は組長の家だった。龍神会に抵抗するため、ポン太君に入った宗介を用心棒として雇う。
「放課後のピースキーパー」
小学生同士の公園の取り合いに、宗介が仲裁に乗り出す。
「迷子のオールド・ドッグ」
何かに付けられている気配を感じた宗介。その相手は老人だった。強引なその老人につき合わされ、宗介は一緒に鞄を探すことになる。
「わりとヒマな戦隊長の一日」
二日酔いで目が覚めたテッサ。ぬいぐるみがないことに気づき、艦内を捜し歩く。
感想
フルメタル・パニック!短編集の5巻目です。
「純で不順なグラップラー」。ここで出てくる椿一成、この作品が格闘漫画ならもっと活躍できたろうに、という人物です。この先も時々出てきます。
何と言うかお約束をきちんと守る得がたいキャラクターです。
「迷子のオールド・ドッグ」、かなめの過去が少し分かります。かなめのカレーを惜しむ宗介が可愛いです。
「わりとヒマな戦隊長の一日」、これは笑いました。いろんな人の休暇の様子が出てきます。ASでタンゴを踊らせようとするマオ、そのASの描写がとにかく笑えます。
クルーゾーの癒しのビデオ、それに細工したクルツ、激怒するクルーゾーが見ものです。
そして明かされるカリーニンの夫婦生活、意外と抜けてる人でした。
寝ぼけているテッサに抱きつかれた宗介のあわて具合も最高です。
賀東招二 あてにならない六法全書 フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2002年06月
あらすじ
「ままならないブルー・バード」一つだけ空いた部室を巡り、各部が部屋を賭けナンパで対決する。
急遽写真部に入った宗介も参加することになる。
「的外れのエモーション」
瑞樹が一成に一目ぼれする、迷惑な一成は宗介に相談するが、それがある誤解を生む。
「間違いだらけのセンテンス」
学校案内のパンフレットの原稿のため、神楽坂先生は生徒から原稿を募ろうとする。
「時間切れのロマンス」
映研の撮影に協力する宗介だが、締め切り前に監督が倒れてしまい、宗介が映画の編集をする。
「五時間目のホット・スポット」
宗介に届いた荷物を不用意に開けてしまった小野寺、そのビンには細菌兵器が入っていた。
「女神の来日(受難編)」
テッサは2週間の休みを利用して、陣代高校へと編入する事になった。
が、そのせいで宗介は心労が積み重なる。
「作者の極秘設定メモより」
フルメタの設定などが詳しく書かれています。
感想
フルメタル・パニック!短編集の6巻目です。
「ままならないブルー・バード」、必死な宗介が切ないです。ナンパなんてしたことないでしょうし。
「的外れのエモーション」、瑞樹には好かれ、勘違いの誤解は受け、大変な目に合う一成。最近は男性も一部女性の専門用語を使いこなすのか、と思った作品です。
「間違いだらけのセンテンス」、かなめに見直してもらおうとする宗介がいじらしいです。
「時間切れのロマンス」、久々に爆笑しました。とんちんかんな映画の中の宗介とかなめのセリフが笑えます。「おまえを愛するがゆえの過ちよ」という台詞など、訳がわからないのに爆笑しました。
「女神の来日(受難編)」、マデューカスがお局様みたいです。そのマデューカスをかなめは今まで号令係のおじさんと思っていたとは。かなめとテッサに挟まれ両手に花状態な宗介ですが、それ以上に心労が襲い掛かります。
賀東招二 安心できない七つ道具 フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2003年07月
あらすじ
「穴だらけのコンシール 」陣代高校に都議会議員が視察に来る。校長やかなめは宗介を学校に近づけまいと奔走する。
「身勝手なブルース」
宗介が小野寺と風間と女子大生との合コンに行く。
「ミイラとりのドランカー」
風邪を引いた生徒会長を見舞いに家を訪ねるが、そこで酒盛りが始まる。
「義理人情のアンダーカバー」
林水が不良グループに潜入させていたスパイが発覚しそうになり、宗介に助けを求める。
「真夜中のレイダース」
用務員の大貫の元で鍋をつつく宗介とかなめと一成。
買出しに行ったかなめが帰ってこないのを心配し、探しに行く一成、さらにそれを探しに行く宗介は、陣代高校のOBを名乗る人物に出会う。
「老兵たちのフーガ」
ボーダ提督にパーティーに誘わたテッサは、無理やり宗介を同行させるが、そこに強盗が入って来た。
感想
フルメタル・パニック!短編集の7巻目です。
「義理人情のアンダーカバー」の生徒会長の悪役ぶりが見事です。
「老兵たちのフーガ」、前から誘われていたパーティーに強制参加させられるテッサは、思い切った行動に出ます。
老兵達のあまりの下品っぷりに少しびっくりです。
宗介のたとえ話に爆笑しました。
賀東招二 悩んでられない八方塞がり?フルメタル・パニック!
富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2005年07月
あらすじ
「約束のバーチャル」宗介やかなめがネットゲームをする。
「影武者のショウビズ」
宗介が自分とそっくりな芸能人と、ある条件と引き換えに入れ替わる。
「対立のフェスティバル」
文化祭でかなめのクラスはコスプレ喫茶の出し物を却下されてしまう。しかし却下した文化祭実行委員長のクラスは仮装喫茶だった。
かなめのクラスはただの喫茶の対抗手段として、さくらとして友達を呼び集めるが、そこに宗介の知り合いもやってくる。
「愛憎のフェスティバル」
文化祭のイベント、ミス陣高。東海林未亜に対抗し、かなめも出場する。
感想
フルメタル・パニック!短編集の8巻目です。
「約束のバーチャル」、あまりこういうネタが好きではないので微妙ですが、宗介もゲームするんだと、妙なところで感心しました。
「影武者のショウビズ」、ベタなネタです。知らないとはいえ、宗介を芸能界に置くなんて、命知らずですね。
「対立のフェスティバル」、何となくオチは分かりましたが、笑えます。
宗介の知り合い達、よく来れたなと、別の意味で感心してしまいます。
「愛憎のフェスティバル」、これも学園物のお約束でしょうか。最後の宗介のちょっとしたセリフに、ニヤニヤと笑ってしまいます。
