あざの耕平 小説一覧

[Black blood brothers]
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[Black blood brothers S]
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[東京レイヴンズ]
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BLACK BLOOD BROTHERS(1) 兄弟上陸

おススメ度 9

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2004年07月

10年前の香港にて吸血鬼の存在が明るみに出た。
本来は吸血鬼の血を吸う事によって吸血鬼になるが、「九龍の血統」は血を吸っただけで、人間だけでなく吸血鬼さえも自分の血統の吸血鬼へと転化させる。爆発的に起きた吸血鬼の殲滅に人間だけでなく吸血鬼も共に参戦し、特に「同族殺し」と言われた「銀刀」を持つ吸血鬼は、片端から「九龍の血統」を切り捨て、聖戦の英雄の一角として知られることとなった。

横浜沖に浮かぶ人工島「経済特別解放区」、通称「特区」では、表向き殲滅されたとされる吸血鬼と人間が共存していた。もっとも一般の住民は吸血鬼の存在を知る事はなく、吸血鬼が人間に紛れて暮らす事で派生するトラブルや、吸血鬼の血族間で発生する問題はオーダー・コフィン・カンパニーの調停員が調停を請け負っていた。
そのカンパニーで働く葛城ミミコは、上司の命により湘南の海岸へと調査に来ていた。
そこで海の中から白煙を立ち上げる骸骨と、骸骨に抱えられた美少年を発見する。吸血鬼とすぐに気づいたミミコは調停員として彼らを保護する。
骸骨より復元した青年は望月ジロー、気を失っていた弟の少年はコタロウと名乗るが、実際の兄弟ではなく、たった二人のだけの血統の吸血鬼だという。

彼らを特区へと案内しようとするミミコだが、そこに張られた結界に阻まれてしまうジローを、「九龍の血統」かと疑うミミコだが、そこへジローとコタロウが特区へ向かう船で出会った「断絶血統」の黄がジローを仲間にと誘いに来る。
「九龍の血統」の疑いが拭いきれないミミコはジローを引き止める事が出来ない。更にそこへカンパニーの鎮圧チームが戦闘を仕掛けてきた。コタロウ達を逃がす代わりに捕まったジローだったが、そこで黄の仲間に「九龍の血統」が混じっている事を知る。
昔の仲間、赤井リンスケにより再び「銀刀」を手にしたジローは、會により「九龍の血統」へと感染した黄の仲間たちの元へと向かう。

しかし、海に落ちた上、日に当たった為力を失っていたジローはコタロウを救い損なってしまう。そんなジローに、禁止されているにも関わらずミミコは自らの血を吸わせた。

コタロウを取り戻し、ジローはミミコに彼の血族「血を超越した血統」の事を話す。
彼らの血統は古く、ジローを転化させた始祖である女性は、血を吸った相手の能力、記憶、人格を取り込み、そして死して灰になってもその灰の中から生まれ変わるという。
しかし以前の人格は失われ、ジローは生まれ変わった無力な子供の護衛として、そして、死んで生き返る間、血を預かり保存し、子供が十分に育つとその血を戻し、自らも一緒に彼女の中に入り生き続ける、その為にコタロウの側にいるのだと。それが「血を超越した血統」と評されるゆえんであると。

いずれ始祖の生まれ変わりであるコタロウに食べられるというジロー、しかし彼は楽しそうに「これから特区での日々が始まる。私にとって最後の、そしてたぶん、最高に楽しい日々です」と笑った。

あざの耕平さんの本で、初めて読んだのはDクラッカーズでした。それが面白かったので、この小説を買ったのですが、買ってよかった。面白い。
Dクラは、基本アクション物ですが、そこに絡む恋愛要素が良かった。主人公達の会話、それがものすごく上手い。
このBBB1巻ではまだまだアクションオンリーな感じですが、所々入っているジローの回想がものすごく良いというか上手い。思わず入り込んでしまいます。
アニメ化もされ、その冒頭部分に回想が挿入されていましたが、それも良いです。EDも好きでした。
ジローは、吸血鬼であり100年以上生きているという事もあり、更に赤のコートと赤の帽子と奇抜な格好をしているので、もう少し斜に構えた性格かと思ったのですが、言葉の端々にそんな要素はありつつも性格はいたって普通です。むしろ元軍人だけあって少々硬めなくらいです。昔の人だけあって機械系が苦手だったりもします。
この妙なバランスの性格がたまらなく良い。
最初に読んだ時は1巻目はさらっと読んでしまったのですが、じっくり読むと最後のセリフに思わず泣きそうになりました。
どんな気持ちでジローさんはこのセリフを言ったのか、全て読み終わってからこの台詞を読むと本当にせつないです。

富士見ファンタジアをよく読む人はには是非おすすめします。

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BLACK BLOOD BROTHERS(2) 特区鳴動

おススメ度 9

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2004年12月

とりあえず一晩の宿をジロー達に貸したミミコは、特区での彼らの住居を探すため三大血脈の長、セイとケインを訪ねるが、慇懃無礼に追い返されてしまう。
途中、残る三大血脈の一つ、ゼルマンの元の吸血鬼オーギュスト達に襲われるが、オーギュストを追い詰めるジローの前に、ゼルマンに仕える白峯サユカが現れ「夜会(カブン)」へと案内される。
仲間にと誘われるジローとコタロウだが、800年を生きた古血、悪役的なゼルマンに対し、コタロウは臆することなく「正義の味方がいい」とあっさり断ってしまう。

結局収穫は得られずにアパートに戻ると、リンスケがセイとケインを連れてきていた。
和やかな食事に、ミミコはセイやケインがジローの聖戦時代の仲間だった事を思い出す。
しかし、ここに来たのは「賢者」であるコタロウに会いに来たからであり、ジロー達を事情があり受け入れられないという彼らに、ミミコはこれが最後だからというジローの力になりたくて二人を責める。
気まずいまま食事を終えると、ミミコの部屋はオーギュストにより爆破された。それでも調停員としての姿勢を崩さないミミコに、ジローは黙ってオーギュストの元へと向かうが、オーギュストは「九龍の血統」に血を吸われたわけでもないのに「九龍の血統」に感染していた。
そしてそこにジローが転化した頃、共に旅をしたカーサの弟ヤフリー趙が現れる。

一方、ミミコの上司陣内ショウゴは、黄の話から特区内に「九龍の血統」を招く者がいるとカンパニーに報告する。

読み返しているせいか、何故か毎回泣きそうになります。ミミコの部屋が爆破されるシーン、その部屋はミミコを全うな人間だと感じさせてくれた・・・・・・その文章一つに涙がこぼれます。

三大血脈の長、セイやケインにしても長と言うイメージに比べれば、実際に接していると普通の吸血鬼という感じで、何とも言えない良さがあります。コンビニの袋を提げて、公園でご飯を広げるあたり、とても三代血族の長とは思えません。ゼルマンが一番長っぽい。
そしていよいよ最大の焦点「九龍の血統」が本格的に絡んできます。「九龍の血統」の兄弟は多いので、しっかり読まないと少し混乱してしまうかもしれません。雰囲気で読み切る事も出来ますが。

今回はジローがミミコのことで多少暴走気味です。少々ひねくれた物言いで少し孤独感がありますが、何気なくミミコを心配しているあたりにジローの優しさを感じます。

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BLACK BLOOD BROTHERS(3) 特区震撼

おススメ度 9

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2005年03月

九龍の血統でありカーサの弟、ヤフリーに襲われるジロー。
ジローはコタロウの静止を振り切りミミコに別れを告げる。
身を潜めるジローの元を、コタロウはミミコに会うため共感すら切り、一人探しに行く。

一方ミミコも、もう一度話しをするためジローを探していると、黄より「九龍の血統」だった曾の内通者が第十一地区にいると聞く。しかしその地区の存在は都市伝説であった。
更にある情報屋の元でミミコは大量の血液パックを見つける。その事を陣内に報告しようとするが、陣内の側には本物の黄がいた。

ミミコと同行していた黄こそカーサだった、ミミコを仲間に引き入れようとするカーサの前にコタロウとゼルマンが現れる。

存在を感じられないコタロウを必死で探すジローだが、ケインとリンスケの協力により黄と共に情報屋の元にミミコがいると知り、そこへ向かう。そしてやっとミミコとジローは再会する。

「ここはいい街だねえ」そのコタロウの言葉がずしんと響きました。コタロウとジロー、そして特区を守るため戦う人々。そんな街に住んでほしいと思ったミミコ。読み返しているのに、毎巻毎巻何故泣きそうになるのか。

カーサたちとの第一戦目です、都市伝説といわれた第十一地区には九龍王の遺灰が眠っています。だからこそケインとセイはジローたちを特区から追い出そうとしました。そして聖戦の頃のジローの知り合い、十年と言う人間には長い時間で変わらざるを得ない立場。一つ一つが重いです。

そしてコタロウの前の姿であるアリス。子供っぽい話し方ですが、それが全然嫌味ではなく、本当にきれいに響いてきます。だからこそ今いないのがものすごく残念だと思えます。
そして話は短編集へと続きます。話はこの巻の続きなので、BBBの4巻目を読む前に短編集の1を読んだほうが分かりやすいです。BBBは本編だけを読むのではなく、出版順に読む方をおススメします。

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BLACK BLOOD BROTHERS(9) 黒蛇接近

おススメ度 9

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2008年06月

カンパニーの代表となり世界の乙女(メイデン)となったミミコ。
純白のスーツに身を固め、少し髪を伸ばしたミミコからは特区で暮らしていた頃のあどけなさはなくなっていた。
世界がまだまだ吸血鬼に対し偏見を持つ中、ジローもコタロウもいない中で仕事を続けるミミコ。
しかし彼女の元に協力する血統も現れ、遂に魔女モーガンの血統の長、アンヌ・ウォーロックが協定を申し出てきた。

カーサ達九龍の血統は放置できなくなったミミコを九龍化させる計画を立てる。
しかし彼女の周りには真銀刀、そしてアンヌもミミコの側にいる。
それをかいくぐりミミコの元へと迫る九龍の血統、彼女の首筋に牙を立てたのは末の少女ワインだった。

最初にミミコの挿絵を見た時、ミミコとわかりませんでした。
それぐらい大人の女性へと変わっています。
倒れんばかりに働き、それでも世界は吸血鬼への偏見を変える事はない。
その中、一人がんばっているミミコの姿が少し痛々しいです。

そして、ミミコに危険が迫っていても駆けつけることもできないジロー。
彼が吸血鬼の会議で彼らに見せた特区での日々。その中にはもちろんミミコが、そしてリンスケ、陣内、ヒバリ、サキ、スワン、他のカンパニーの面々。
人と吸血鬼が共存していた特区。もっと長く特区でミミコ達と共に過ごしてほしかった。

そして一人、アンダー・イヤーではあるが、九龍の血統を相手に特区で戦い続ける白峰サユカ。

いよいよカーサが九龍の血統に染まった経緯が語られそうです。ウォーロック家のアンヌ、決して情が通っていないわけではないその表情に、あざのさんの小説の上手さを垣間見た気がします。

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BLACK BLOOD BROTHERS (S)(1) 短編集

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2005年07月

部屋を爆破されたミミコは新しい引越し先も決まり、荷物もほとんど無事で、新しい生活をスタートさせようとしていた。
ジローはミミコの護衛として交渉のサポートをするが、文明機器が滅法苦手なジローはFAX・携帯電話、すべてが使いこなせず時間に遅れまくる。
それでも自分を守ってくれるジローに、ミミコは月に一度だけ自分の血を吸わせてあげた。

ミミコ、ジロー、コタロウの3人の日常生活です。先の戦い、そしてこれから起こるであろう戦いの束の間の平穏です。それが分かっているからやっぱり泣けます。
機械音痴なジローさんも面白いです。ジローさんが人間の頃はハンドルみたいなものをグルグル回す電話でしょうか?そんなに電話の歴史に詳しくないので分かりませんが、この百年間文明は進んでいるのに、一人機械に取り残されているのが笑えます。
そしてコタロウが拾った熊のぬいぐるみバウワウ卿、今後何気なく活躍してくれます。
最後のキャミソールの話が、ミミコの女らしさが出ていて好きな話です。

東京レイヴンズ(1) SHAMAN・CLAN

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2010年05月

霊的災害が多発し、陰陽師たちが活躍する中、安倍晴明の血を引く土御門春虎は全くその道の才能がなく、普通の高校生活を送っていた。
ある日春虎は土御門家の本家であり幼馴染の夏目と間違えられ、国家一級陰陽師、俗称十二神将の一人大連寺鈴鹿に狙われる。
鈴鹿は戦中に名を馳せた土御門夜光の一般的に普及している汎式な陰陽術ではなく、帝国式陰陽術の魂の呪術を行おうとしていた。

最初あらすじを読んだ時は、ちょっと読む意欲が下降気味だったのですが、あざの耕平さんだし!と思い気を取り直して読むと、端々に設定の固さがあり、やっぱり面白かった。

こういう陰陽術的な話を現代物で読むのは苦手なのですが、それを面白いと思わせてくれる所はさすがあざのさん。

今まで読んできたあざの耕平さんの本は、女の子がいて、その周りに強い男の子(男性)がいて、という設定だったのですが、今回は逆ですね。

設定や登場人物のなどはかなりパターンだと思ったのですが、そこはあざのさんの文章力のうまさで引き込まれます。

最後も結構ベタベタな展開なのですが、次巻が楽しみ!と思わせてくれます。

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東京レイヴンズ(2) RAVEN”s NEST

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2010年09月

夏目の式神となった春虎は、冬児と共に夏目の通う陰陽師育成機関、陰陽塾へと入塾する。
陰陽術についてはまるきり知識がない春虎だったが、夏目や春虎自身の式神のコンの助力もあり少しずつ学校に溶け込んでいく。
そんな中、夏目を付け狙う者がたびたび学園に姿を見せていた。

学園ものかよ!と思わず突っ込んでしまいました。
別に嫌いじゃないんですよ、学園もの。でも陰陽塾という普通の学校ではないところにちょっとテンションが下がってしまいました。

それはそれで置いておいて男装の夏目や、女性と知らず夏目に好意を抱いている倉橋京子や、春虎達の友人になる天馬などキャラが続々と登場してきます。
そのあたりは面白かったかな。
春虎自身もちょっとずつ戦えるようになってきて、夏目の式神らしく……なってはきているのかな?という巻です。

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東京レイヴンズ(3) cHImAirA DanCE

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2010年12月

春虎達が陰陽塾に入塾して半年、陰陽塾二年生になるための進級試験が行われていた。
筆記試験が絶望的な春虎は実技試験に望みをかける。
その実技試験はレベルの低い霊災を払うことだったが、突如その霊災のレベルが上がり、春虎達の手には追えなくなってしまう。
更に一度霊災の被害を受けた冬児の中で鬼が目覚めようとしていた。

冬児に降りかかった霊災の影響とはなんだったのか?というのがこの巻でやっとわかります。
見どころは春虎と夏目より、春虎と冬児ですね。冬児が今まで鬼にならなかった鍵は春虎です、今回は恋愛要素よりアクションと友情がメインかな。
そして十二神将も何人か出てきます、この出し方はあざのさんらしいなと思いました。

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東京レイヴンズ(4) GIRL RETURN & days in nest 1

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2011年05月

何とか進級した春虎達の前に新入生として大連寺鈴鹿が入塾してくる。
何かと鈴鹿に振り回される春虎だったが、一番の問題は巫女姿の夏目と鈴鹿が出会っていることだった。
隠形術でひたすら隠れる夏目だったが、春虎と鈴鹿が気になりつい後を付けてしまう。

今回は短編集です。
いよいよやってきましたか!という大連寺鈴鹿の登場ですね。
ファーストキスの相手と言って春虎を振り回します。いつも以上にドタバタ劇な感じです。

その他も学園がメインの話です。
本筋とは関係ない、春虎がホモかロリコンなどというレッテルを貼られる話です。
あざのさんにしてはちょっと狙った感があるかなと思いましたね。

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東京レイヴンズ(5) days in nest 2 & GIRL AGAIN

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2011年07月

陰陽塾の合宿、一年生の鈴鹿から解放される喜びに春虎と夏目の心は躍る。
しかし二年生の合宿になぜか鈴鹿も参加していた。
相変わらず春虎にちょっかいをかける鈴鹿だが、冬児は彼女に春虎達との協力体制を持ちかける。

今回も短編集です。
他に土御門家の本家へと帰省した夏目と春虎が陰陽塾へ戻る途中、少し遠くのバス停まで二人で歩く話。
夏目が初めて鍋を食べる話。
春虎の動物好きの話。
風邪を引いた春虎が夏目の看病のトラウマにより逃げ回る話。
があります。

冬児が鈴鹿に持ちかけた春虎達との協力体制、いよいよ話がまとまってきた気がします。
シリアス路線に行くのかと思いきや、鈴鹿と京子のガールズトークなど鈴鹿の頑なさがだんだん解けてもきていますね。
前回の短編集に比べるとこっちの方が面白い。

短いですが「雪景、ふたり」の春虎と夏目の会話がいい。すごくいい雰囲気。
こういう二人の会話って本当にあざのさんは上手いなと再確認。

鈴鹿だけでなく、京子や天馬とも協力体制をとるために、やっと二人も春虎と鈴鹿たちのいきさつを知ります。
でもまだ話せてない真実があるんですよね、夏目が女の子という事。

鈴鹿も京子から春虎を好きなんじゃないかと突っ込まれてますが、この話は春虎に対して素直に行為を表せる女の子がいませんね。
唯一の女の子が式神の北斗だけ。
夏目が最初から素直になっていれば恋愛面ではすごく簡単に落ち着いただろうなと思いますね。

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東京レイヴンズ(6) Black Shaman ASSAULT

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2011年10月

ひょっとしたら北斗の正体は夏目かもしれないと疑い始める春虎。
確証を得られないまま夏目とぎくしゃくする日が続く。

陰陽庁では蘆屋道満を名乗る『D』の『鴉羽織』強奪予告について対策が練られていた。
庁舎の倉庫に封印されている鴉羽織だが、実はレプリカで本物は陰陽塾にあるという噂もあった。

陰陽庁が襲撃される中、陰陽塾にある老人が姿を現す。
鵺の時に現れた蘆屋道満であった。

面白かった。夢中で読みました。

最初は北斗の正体に気づき始めた春虎の話が続くのかと思いましたが、物語は急展開。
戦いも様になってきた春虎達の戦闘が続きます。
前回の協力体制の通り、春虎・夏目・冬児・鈴鹿・京子・天馬が蘆屋道満に立ち向かいますが、おいしい所は大友先生がかっさらいます。
この時点で蘆屋道満と戦うなんて大丈夫か?とも思いましたが、いい意味で予想を裏切ってくれます。
大友先生の活躍だけでなく、春虎達も善戦しています。
今までの戦闘に比べても格段に面白くなっていました。

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東京レイヴンズ(7) DARKNESS EMERGE

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2012年05月

蘆屋道満の襲撃により陰陽塾は塾舎を一時閉鎖し、生徒達の授業は陰陽庁の支局などを間借りして行われていた。
春虎と夏目は陰陽塾の屋上で見た泰山府君祭を祭る祭壇と同じ祭壇が気になり再建中の陰陽塾へ立ち寄ると、そこで相馬多軌子という少女と出会う。

一方陰陽庁呪術犯罪捜査部では双角会の掃討作戦が開始されていた。
双角会の反撃に備え夏目には十二神将の一人、鏡伶路が派遣されるが、夏目のそばに張り付いているのは鏡ではなく、彼の式神シェイバだった。
そのシェイバが高濃度の瘴気を浴び、夏目達に襲いかかった。

春虎と夏目の知らないところで物語が急展開しています。
その余波で春虎はシェイバと戦うことになりますが、前回の蘆屋道満と大友先生の戦いを見ていた春虎はその戦い方を一変させています。
京子の春虎に対する認識がずいぶん変わりますね。
そして春虎は自分の中にあった「殻」を破ります。今のままでは大切なものを守れないから。
その守りたい存在の夏目ですが、とうとう秘密がばれてしまいます。

双角会、というか陰陽庁も一筋縄ではいかない感じ。
この感じはBBBを思い出させます。この後の展開が楽しみ。

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東京レイヴンズ(8) over-cry

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2012年10月

シェイバとの戦いから呪力が安定しない春虎。
女という事がばれてしまい、京子に「うそつき」呼ばわりされた夏目。

そんな中、土御門家が襲撃され、夏目の父泰純が保管していた鴉羽織が何者かに奪われてしまう。

京子との仲を修復しようとする夏目は、仲直りのかわりに春虎へ北斗の事を春虎に打ち明けると約束させられてしまう。
しかし土御門家の跡取りが女の子という事は、陰陽塾だけでなく多くの所で波紋を広げていた。
何故なら土御門家の跡取りは間違いなく男の子だったのだ。

今まで読んできて、どっちだろう?やっぱりそうだよね?
という事がやっと分かる巻です。
土御門夜光の生まれ変わりは夏目ではなく春虎。

終わりの方までは春虎達の関係修復話です。
夏目が京子に謝って、春虎が京子に殴られる。
京子が好きになった男の子は夏目ではなく、春虎。昔京子に出会ったことを完璧に忘れるなんてさすがに京子がかわいそう。
そして春虎をはさんで夏目・鈴鹿・京子の四角関係になるかと思いきや最後の引き。
作者もあとがきで書かれていますが、ここで終わるか普通!とつっこみまくる所で終わっています。
幸い私は友達に次の巻まで借りていたのですぐに続きを読むことができたのですが、刊行ごとに読まれている方はどれほど次巻を待ち望まれたか察するに余りあります。

そしてこの巻では春虎の両親が登場。
お母さんがかなりすごい、この夫婦好きです。夏目のお父さんとの三人の関係もいい感じ。
あ、本当はそれぞれの親が逆になるのでよかったのかな?夏目の両親は春虎の両親??どうなんでしょうね。

最後は再び花火大会。
春虎に北斗の事を告げる覚悟をした夏目、すごくすごくいい感じなのに先ほど書いた通りすごい終わり方をしています。
読むのなら8、9巻はまとめ読みをおすすめします。

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東京レイヴンズ(9) to The DarkSky

おススメ度 7

富士見書房 富士見ファンタジア文庫 2013年03月

春虎にかけられた呪術を解く際、暴走した鴉羽織により夏目は致命傷を負う。
必死で回復させようとする春虎だが、夏目の命は戻らなかった。

泰山府君祭で夏目を生き返らようとする春虎は、協力を申し出る倉橋源司の言葉に迷う。
しかし春虎はコンの言葉により、自分自身の力で夏目を蘇らせることを選択する。生き返った時に、夏目が笑顔を見せてくれるため。

第一部完結です。
前回ほどではないですが、ここで終わり……と、また次巻が気になる所です。
怒涛の展開というのは前巻の方がぴったり来ますが、この巻も面白かった。分厚いけど読みごたえがあってすぐに読んでしまった。

冬児・鈴鹿・京子・天馬たちは、春虎を取り戻すため陰陽庁への潜入を練っていますが、当然その動きは倉橋源司も探りを入れています。
この中で最も注目されていないのが天馬。
やっと彼の活躍の場がめぐってきます。

そして春虎を諭すコンがかっこいい。

今回は今まで以上に追い詰められた状況です。
DクラでもBBBでも同じく追い詰められる展開ですが、スタートダッシュがこの二作品に比べ劣っているように感じたレイブンズもやっとあの二作品に追いついてきたか!という感じです。

そして再び出てきた蘆屋道満。大友のメル友らしいです。
そしてまさかの大友との式神契約。
大友と木暮と早乙女鈴の関係は次巻以降に持ち越し。これも気になる。
コンの封印も解けます。これはまあ封印とかあるんだろうな、という感じはしてたので予想通りですね。

しかし敵側には京子の父親の倉橋源司、鈴鹿の父親の大連辞至道こと式神として蘇った夜叉丸。
お父さんばっかり。

鈴鹿の兄は生き返らずむしろ春虎は鈴鹿に説教したのに、自分は夏目を生き返らす、というのは読後にふと「これはあり?」と突っ込みたくなるのですが、読んでいるときはそんな事どうでもいいくらいに読み切ってしまえます。

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あ行 か行 さ行た行な行は行ま行や行ら行わ行